アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
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コロナ対策協議から木村英子議員(れいわ)を排除した与野党

2020年03月23日 | 差別・人権

    
 20日の東京新聞に次のベタ記事がありました。全文転記します。

< 重度障害のあるれいわ新選組の木村英子参院議員は十九日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス対策に関する政府・与野党連絡協議会への参加を断られたと明らかにした。「障害者は感染すると重篤になる恐れがある。私も障害者の防御対策に意見を述べたい」と与野党に抗議した。
 立憲民主党に出席を要望し、立民が自民党と協議したが、れいわが少数政党であることを理由に合意に至らなかったという。
 木村氏は、感染拡大で障害者宅にヘルパーが派遣されないといった問題が起きていることに触れ「一番実行力がある協議会に要望しないと、当事者までケアが届かない」と語った。>(写真左は記者会見する木村議員。木村議員のオフィシャルサイトより)

 翌21日、琉球新報も次のベタ記事を載せました。全文転記します。

< れいわ新選組の木村英子参院議員は19日、国会内で記者会見し、新型コロナウイルス対策政府・与野党連絡協議会への参加を断られたと明らかにした。「理由が分からず、怒りを感じる。障害者差別と考えざるを得ない」と与野党を批判した。>

 毎日新聞ウエブサイト(19日)によると、木村議員から参加の要望を受けた立憲民主党の安住淳国対委員長は記者団に、「自民党にれいわの意向を伝えたが、『既成政党の中で話し合いを続けてきたので、れいわも新たに(加える)というのは難しい』とのことだった」と釈明した」。

 これはきわめて重大な問題です。

 第1に、コロナウイルス対策の協議から参加を希望する議員(政党)を排除することは、国会の存在意義を自ら否定する愚挙です。木村議員によれば、「協議会の設置にあたって、れいわ新選組には参加の呼びかけすらなかった」(オフィシャルサイト)といいます。

 第2に、自民党の言い分はまったく理由になっておらず、木村議員が指摘するように、障害者差別であると断ぜざるをえません。こうした差別が国会でまかり通っていることはきわめて異常です。コロナ対策はじめ災害対策において障害者が軽視・放置されているこの国の実態を象徴しています。

 第3に、「既成政党の中で…」という自民党の言い分は、少数政党の排除・差別にほかなりません。

 第4に、自民党の理不尽な「回答」を唯々諾々と受け入れた立憲民主党も自民と同罪です。国会運営を自民と立憲民主2党の国対委員長が協議(談合)して決めるきわめて不正常なことが常態化していますが、今回のことはその弊害・害悪の端的な表れです。

 第5に、自民、立憲2党だけの問題ではありません。協議会に参加したすべての政党の問題です。しかし木村議員が排除されたことについて、どの党からも異議・批判は出ていません。この問題に沈黙している党はすべて自民、立憲と同罪と言わねばなりません。

 第6に、メディアの鈍感さです。これはベタ記事で扱うような問題ではありません。それでも記事にした新聞はまだマシです。木村議員の会見を受けながら記事にしなかった新聞社・メディアはいったい何を考えているのでしょうか。その存在意義が改めて問われます。

 第7に、「新型コロナ対策」に乗じた「挙国一致」「ワンチーム」(安倍首相)の危険性については先に書きましたが(17日のブログ参照)、今回の問題は、与野党一体の翼賛体制が少数意見、マイノリティを排除・差別するものであることを白日の下にさらけ出したと言えるでしょう。

 コロナ対策の与野党協議会に木村議員を直ちに参加させるべきです。すべての政党はこの問題に対する見解を明らかにする必要があります。メディアは取材し直し、あらためて問題点を報道すべきです。

 


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