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鏑木蓮「白砂」~真面目な苦学生「小夜」がなぜ殺されたのか?捨てられた高価なペンダントが導く真実☆

2018-05-06 02:29:15 | 
鏑木蓮「白砂」読み終わりました。



なんとも切ないお話だった。




夕日ハイツ104号室でつましくバイトをしながら暮らしていた


予備校生「小夜」



予備校の友達「敦子」に遺体となって発見される




現場に急行した目黒警部は



小夜の部屋のゴミ箱に入れられた



ペンダントを見つける



小夜が捨てた?



物を大切にしていた小夜が・・



捨てるだろうか?




後ろから頭部を殴られ殺されていた小夜



その手に握られていた「紫色の小さな巾着袋」は


一体なに?




目黒はそこを謎に思う




小夜に送られていた故郷からの友人の手紙


バイト先の評判などから



小夜が真面目に働き


大学へ入学して勉強することを目指していたことを知る。




殺されたと思われる時間帯の直前に届いていた



段ボールの中身



それは



遺骨だった




遺骨を粉砕して作られるアクセサリー




それがゴミ箱に捨てられていたペンダントだった。




そんな大切なものが・・



何故捨てられていたのか?




そして・・



業者から返却された遺骨は一体どこへ?!







その謎を解くカギは



小夜が賞を取った



短歌だった




ひと夏の美しき山にひらきたる一夜の花ははかなき恋か

深き山翡翠色なるキャンバスに白き鹿おり頬つたうしずく


君語る星座の物語あの夏にふたたび会いたきと想う夢みん




ふるさとの南丹市美山をよめる歌




そして


この歌が小夜ではなく・・



小夜の母「小百合」の体験した事だと解っていく。



小夜と親しげに歩いていた年の離れた男性・・




男性と小夜の関係は?




小夜の通帳に振り込まれた


100万円




遠い日の小百合の恋




そして



小夜が本名「古森」ではなく



母方の性「高村」を名乗っていた理由




小夜の祖母が



頑なに小夜の遺体引き取りを拒んだ理由




それらがその男につながっている?!





南丹で小百合の過去を調べるうちに



小百合と仲良くなった「テンガロハットの男」に目をつける目黒



その男が小夜と歩いていた男なのか?



そして・・



小夜を殺した?




しかし・・



男は事故で死んでいた!




小夜を殺すことは不可能だと知る。





そして



たどり着いた男の妻




妻の犯行?!








お話は



小夜の事件を追う目黒たちと



男の妻が男を喪い・・



その骨を海に撒くところから始まっている。




「泳げない」男の骨を



海に撒くことにした妻



自然を愛する人だったという理由のもとに。




妻の苦しかった少女時代



そして



そのとき看病していたいとこの死



それが


妻「好恵」を歪めていく。。





目黒が遺骨を追い求め・・



好恵もまた



遺骨を探していた?!




他の誰にも知られることは許されない・・





遺骨の真実





最後の最後まで予想を覆される内容でした。





小夜も・・



そして



小夜の母小百合も・・



そして


好恵も・・



その土地に縛られて生きてきた。。




「白砂」がいろんなものにかけられていて・・



このお話の奥深さを感じました。




環境は人を変えていく。。



自分の思いではどうにもできないこと・・



なんだか辛いよね。




20歳で殺されてしまい



奪われた夢・・




小夜にはもっとこれから楽しんでもらいたかったなぁ~。




そう思わずにはいられませんでした




















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