角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

使って褒められる喜び。

2014年04月10日 | 実演日記


三連休初日の今日、平福記念美術館で開催中の「藤あや子作品展」を観てきました。平日の雨の中でも、地元民を中心に20人ほどいましたか。週末は当然もっと多いでしょうから、ついでに西宮家を訪れる方々が多いのも頷けます。
およそ70点の画や和陶器を展示していて、画からは「優しさ」を一番に感じましたね。何歳くらいから描き始めたのか分かりませんが、おそらく年齢を重ねながら得た画風と思いました。

2013年12月14日のブログにご登場の「筋金入りのこだわり」を持ったおばさま。こちらのおばさまから一週間ほど前にお電話がありました。『去年の12月に武家屋敷の駐車場から引き返したのよ、憶えてる?』。
まだ記憶が新しいのですぐに思い出しましたよ。ご自分用の洗い替えスペアを1足と、ご友人に差し上げたいとのことでミニ草履を10個ご注文くださいました。

すぐにお送りして代金も届いた一昨日、おばさまから再度のお電話です。『私が履いてる草履を見て、ともだち3人が欲しいっていうのよ。急がなくていいから作ってくれる?』。
おばさまに『そうしてご愛用者が増えるのって、作り手は嬉しいんですよね』と言うと、『あなたも嬉しいでしょうけど、履いてるのを褒められて私も嬉しいのよっ』。

もし藤あや子さんが創った徳利で酒を飲んでいたら、友人たちはきっと褒めてくれると思います。
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