角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

賑やかさの裏表。

2013年09月14日 | 実演日記
毎年お祭りが終わってちょうどこの時季が、角館に季節の変わり目を感じます。昼は汗ばみながらも風が優しい「晩夏」、夜から朝方には寒さを覚える「初秋」ですね。お祭りなどの行事からも、あるいはスーパーの店頭に並ぶ旬の食材からも季節を感じますが、やはり五感がもう夏ではないことを知っているのでしょう。散策のお客様も、『今日は少し暑いけど、やっぱり秋だねぇ』とおっしゃる方が複数おられました。

東京からお越しのおばさまふたり旅。うちのおひとりがお土産にと、ミニ草履を二つお買い上げくださいました。お住まいをお訊ねすると、『スカイツリーの下ですぅ』。どうやら本当らしく、いつもそう答えるんだそうですよ。
『ずいぶんお客さんが来るけど、そこで暮らしてると結構タイヘンでねぇ。浅草はいいけど、ほんとの地元商店街はぜんぜんダメですよぉ』。

世の中によくある「他人の芝生」ですね。スカイツリーのニュースを聞くと、まず商いをしている人なら少なからず羨ましく思うんじゃないですかね。あれだけ人が集まる観光地は、国内有数でしょう。
それでも事情通は、「良いことばかりじゃない」も知っているんですね。ほんと、世の中そんなものだと思いますよ。

角館人のお祭り好きは、県下に知られた町民性です。かと言って、100人のうち100人がお祭り好きとはいきません。私が知る限りでは特に主婦層に、明らかな「お祭り嫌い」がいますね。お盆が過ぎたある日、多くの角館人が指折りお祭りを待っている頃です。ひとりのお母さんが、『あ~、また嫌いなお祭りが来るぅ』と嘆いていました。

寄付をはじめとするお祭り諸費用、睡眠不足、食事等の手間ひま、そしてお祭り後の洗濯とゴミの山。それらを思うと、確かに主婦層にとっては笑えないこともあるでしょう。賑やかに熱く燃えた三日間を内側から見れば、それはやっぱりいろいろありますよ。そしてまた、お祭りとはそういうものだとも思うわけです。
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