角館草履の『実演日記』

〓袖すり合うも多生の縁〓
草履実演での日々の出会いには、互いに何かしらの意味があるのでしょう。さて、今日の出会いは…。

草履の適応サイズについて。

2024年01月23日 | 製作日記
草履のサイズについてあらためてご説明したいと思います。
西宮家で対面によるお買い上げ、あるいはオーダーされる
お客様にはもれなくお話するのですが
後日ホームページからメールでご注文をいただくケースが
少なからずあります。一週間ほど前も同様のケースがありました。

草履は靴サイズマイナス5㍉~1㌢をお勧めしています。
これは以下のような理由によるものです。

① 草履は裸足サイズでかまわないため自ずと靴より小さくなる
私は靴サイズ27.0ですが、実寸を計測すると26.0をやや超えるほどしか
ありません。つまり26㌢草履が理想的サイズとなります。
また靴が小さいと感じるのは、つま先がぶつかることによる窮屈感です。
周囲を囲われていない草履はぶつかるものがないため
窮屈感も痛みもないわけです。






② しばらく使用すると草履に伸びが生まれる
個人差はありますが、半年ほどの使用で5㍉程度の伸びが生じます。
角館草履の平均耐用年数は二年くらいですから、買い替えを検討する時期には
おそらく1㌢程度の伸びが出来ていると思われます。

③ 草履のかかとを足のかかとから出さないのが草履文化
一説に草履のかかとを他人から踏まれないようにするため
わざと隠す意図があったと云われます。



草履のかかとを誰かに踏まれると、ほぼ間違いなく転んでしまいます。
人様に無様な格好を見せないという、一つの美徳だったのではないでしょうか。
また侍にいたっては、転ぶことが即ち命にかかわるシーンもあったでしょう。
誰かにかかとを踏ませないのは自身の安全というわけです。

もっとも室内履きとなった今の時代、「家の中で誰が踏むんだよ?」と
言われればその通りとも思います(笑)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする