Silver linings

カリフォルニアで子育てとか仕事とか。

吉本ばななを英語で読む

2011-11-06 19:34:36 | 日常
古い本だけど吉本ばななの『白河夜船』を読んでいる。
英語版では "Asleep" というタイトル。吉本ばななの本はけっこう英語に翻訳されてるのね。通勤の途中にiPhone ばかり眺めるのをやめて、「永遠の英語学習者」たるべく(?)、明日からはバスの中で紙の本を読むことにする。考えてみたら最近めっきり本を読んでいなかったのだ。で、リハビリもかねて、読みやすい作者から。



すごく静かな本。吉本ばななのさりげなく落ち着いた文体やトーンは英語版でも健在だ。
しかし半分程いってからふと「これって、日本語のタイトルでは何だったんだろう」と思って検索したら、ネット上で日本語の原文に遭遇。ちらりと読んでみたら、slightly shocked... くぁーー!日本語で読んだほうが、だんぜん美しい。

たとえば、

(原文)
「また朝になってゼロになるまで、無限に映るこの夜景のにじむ感じがこんなにも美しいのを楽しんでいることができるなら、人の胸に必ずあるどうしようもない心のこりはその色どりにすぎなくても、全然構わない気がした。」

こういう文や言葉の連ねかたって吉本ばななっぽいのだが、英語だとそういうニュアンスが伝わってこないのだなぁ。

(翻訳文)
I felt like I wouldn't mind even if those inescapable regrets that we're all left with, that lie buried deep inside every one of us, ended up being nothing more than a bit of color added to the night - as long as I could enjoy the incredible beauty of this quietly blurring, infinitely reflected scenery until morning, when everything would return once again to zero.

一文が長すぎでしょうー!美しい原文なのに、もったいない。でも日本語は省略の言語だからね。日本人には短くとも伝わるのだけど、英語にするといちいちこう長くなっちゃうのだろうね。

やっぱり日本の小説は日本語で読むべきだ、と思った。
でもとりあえず始めちゃったから最後まで読む。

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