
ブックマーク先をのぞいていると、「ハッピー&アーティ・トラウム」、
「林亭」といった粋なアルバムがとりあげられていたので、ついつい私も
ひっぱりだしてしまいました。
72年発表の村上律と中川イサトの連名でのアルバム。
アメリカのフォークを基盤にし、マンドリンが入るところや軽妙な歌詞は
「林亭」と同じだが、こちらのほうがバンド・サウンドの側面が強い。
メンバーはさしずめオール・スター大集合といったところで、
こういった音楽の元締め(笑)である高田渡、シバ、武川雅寛、
渡辺勝、上原ユカリなどなど・・・。
あちらの曲に歌詞をつけ、それを完全なオリジナルとして認知させる
高田渡と同じくらい、このアルバムは「オリジナル」だ。
下敷きになる曲がなんであれ、抜群のテクニックに裏打ちされた演奏と
日常の戯言を歌詞にして構成されたこのアルバムを、単なるフォークで
片付けることは出来ない。
私的見解では、これ以上拡がっていくことはなかったのが残念な気がするが
「はっぴいえんど」以降、あのスタイルをより日本的に展開させることが
できる可能性があったかも・・・と思えるから。
この手の音は、バランスが難しく以降は極端にいわゆるフォーク、それが
悪い意味で言えば「フォー・レター・ワーズとしてのフォーク」に
成り下がって行ったような気がするのが、私にとってこのアルバムを
特別なものにしている。
もっとも、それは私が単純な「ロック馬鹿」であるからの話であるといえば
それで話は終わってしまう。
ディランとザ・バンドの「地下室」に収録された曲は海賊盤で広く知られ、
オリジナルが世に正式に出る以前に,様々なカバーを生んだが
このアルバムでも「GOING DOWN TO SEE BESSIE(BESSI SMITH)」のカバーが聞ける。
私のブログをずっと見ている方ならお気づきだろうが、「地下室」収録曲の
カバーを収録したアルバムには、いつも高ポイントをつけてしまうのである。
クレジットには変名でポール・カントナーやジャック・キャサディと読める
当て字もある。ジェファースン・エアプレインではなく、ホット・ツナだったのが
彼ららしい。
ベスト・トラックは「朝帰り」。ハッピー&アーティの「HUNGRY DOG OF
MEXICO」に歌詞をつけたものだが、人並みの欲とはうらはらに、向上心が
あるのかないのかわからないまま、やるせない断片を切り取った風情が素敵だ。
飲んだくれての朝帰りか、ハードな夜勤をこなしての朝帰りか断定できないので
この曲の主人公を簡単に「だらしないヤツ」とはいえないが、
「もうちょっと、しっかりしろよ」と思いながらなんだか昔の自分のような
気もして・・・。
「飲んだ暮れ女」も好きな曲だ。
「いつも出てくる話といえば、大きいの、小さいの、早いのと
つぎからつぎへと飛び出しやがる」
ああ、私はそういうことは言われたことがないが、硬いと言われたことは
数知れない。みんな優しかったんだね。
お後がよろしいようで。
「林亭」といった粋なアルバムがとりあげられていたので、ついつい私も
ひっぱりだしてしまいました。
72年発表の村上律と中川イサトの連名でのアルバム。
アメリカのフォークを基盤にし、マンドリンが入るところや軽妙な歌詞は
「林亭」と同じだが、こちらのほうがバンド・サウンドの側面が強い。
メンバーはさしずめオール・スター大集合といったところで、
こういった音楽の元締め(笑)である高田渡、シバ、武川雅寛、
渡辺勝、上原ユカリなどなど・・・。
あちらの曲に歌詞をつけ、それを完全なオリジナルとして認知させる
高田渡と同じくらい、このアルバムは「オリジナル」だ。
下敷きになる曲がなんであれ、抜群のテクニックに裏打ちされた演奏と
日常の戯言を歌詞にして構成されたこのアルバムを、単なるフォークで
片付けることは出来ない。
私的見解では、これ以上拡がっていくことはなかったのが残念な気がするが
「はっぴいえんど」以降、あのスタイルをより日本的に展開させることが
できる可能性があったかも・・・と思えるから。
この手の音は、バランスが難しく以降は極端にいわゆるフォーク、それが
悪い意味で言えば「フォー・レター・ワーズとしてのフォーク」に
成り下がって行ったような気がするのが、私にとってこのアルバムを
特別なものにしている。
もっとも、それは私が単純な「ロック馬鹿」であるからの話であるといえば
それで話は終わってしまう。
ディランとザ・バンドの「地下室」に収録された曲は海賊盤で広く知られ、
オリジナルが世に正式に出る以前に,様々なカバーを生んだが
このアルバムでも「GOING DOWN TO SEE BESSIE(BESSI SMITH)」のカバーが聞ける。
私のブログをずっと見ている方ならお気づきだろうが、「地下室」収録曲の
カバーを収録したアルバムには、いつも高ポイントをつけてしまうのである。
クレジットには変名でポール・カントナーやジャック・キャサディと読める
当て字もある。ジェファースン・エアプレインではなく、ホット・ツナだったのが
彼ららしい。
ベスト・トラックは「朝帰り」。ハッピー&アーティの「HUNGRY DOG OF
MEXICO」に歌詞をつけたものだが、人並みの欲とはうらはらに、向上心が
あるのかないのかわからないまま、やるせない断片を切り取った風情が素敵だ。
飲んだくれての朝帰りか、ハードな夜勤をこなしての朝帰りか断定できないので
この曲の主人公を簡単に「だらしないヤツ」とはいえないが、
「もうちょっと、しっかりしろよ」と思いながらなんだか昔の自分のような
気もして・・・。
「飲んだ暮れ女」も好きな曲だ。
「いつも出てくる話といえば、大きいの、小さいの、早いのと
つぎからつぎへと飛び出しやがる」
ああ、私はそういうことは言われたことがないが、硬いと言われたことは
数知れない。みんな優しかったんだね。
お後がよろしいようで。
まあ本家ハッピー&アーティもCD廃盤みたいで、このテの音に世間は厳しいですね。。
でもこちらのエントリ読んでたら凄く聴きたくなってきました。正に日本版ハッピー&アーティですね。
一応、自称ジャンボさんです。
中々感想は言ってもらえないものですけどね(使用感ではなく、モノとしての)。
「ハッピー&アーティ・トラウム」を聴いていなかったので、私には、ザ・バンドの「GOING DOWN TO SEE BESSIE(BESSI SMITH)」と、イサトさん達の「あの娘に逢いに」がどうしても同じ曲には聴こえず、戸惑ってしまったのです。
でも、いいアルバムですよね。最近、思い出したように、ひっぱり出しては聴いています。例の10枚組「72年春一番」での演奏も良かった!
(随分以前の文章になるのですが、このアルバムのことをちらっと書いていたのでTBさせていただきます。)
CDはまだ入手可能だと思うのですが、どうでしょう。もし手にとったら後ろジャケを見てください。渋い男の後姿がいい感じですよ。
k-hikoさん。
春一番はこのアルバムの代表曲?をほぼ
披露しているので是非に、といいたいところですが、やっぱり値が張りますしね。
ボーナスをつぎ込むのも「男前」とだけ
いっておきますよ。
感想は強制するものではないので、自然な
一言を待ちましょう。(笑)
nyarome007さん。
私も実はなかなか同じ曲に聴こえず、脳内微調整を施しているところです。
TB先にあげておられたアーニー・グラハムの
アルバムも大好きです。内容を知らない人が
「ジャケ買い」しても外さないであろう、
装丁もいいですよね。