ちょっと前にテレビで話題になっていたことです。
母親が自転車の前と後に子どもを乗せて走るのは危険であり、法律で取り締まろうとしたのですが、3人乗りができないとなると、生活があまりにも不便になってしまうため、強硬な取り締まりは見合わせるとのこと。3人乗りの安全な自転車も開発中とのことでしたが、6万円くらいしてしまい、経済的には非現実的といえます。子どもが小さい間の数年間のために、わざわざそんな高い自転車を買おうと思う人は少ないでしょう。
しかし、子供を乗せた自転車の事故は多いのだそうです。
この話題で、テレビ局がよくやっていた実験は、自転車の前後にわざと子供と同じ重さの荷物を載せ、そのことによってどれだけ安定感が悪くなるかというものでした。
そして、女性のリポーターなどが実際にそれに乗ってみるわけですが、荷物がないときはすいすい乗っているものの、荷物を載せたとたんにフラフラになり、ハンドルが取られて転んでしまいそうな状況で蛇行運転したりしていました。3人乗りはこんな危険な状況なのですと強調していました。
これはあまりにもわざとらしいです。
だいたい、子供を前後に乗せてフラフラ運転している母親なんか見かけますか?見かけませんよね。ちゃんとすいすい乗っているのが普通ですよ。
なぜならば、いきなり2児の母親になる人はいないからです。最初は1歳以下の子を1人だけ前に乗せ、その子がだんだん大きくなり、次にもう1人生まれたところで、上の子を後に乗せ、下の子を前に乗せ、そして、その子たちが次第に大きくなっていきます。だから、上の子を幼稚園に送っていくくらいになるまでには、軽い状況から少しづつ加重が増えていき、何年間も経っているのです。いきなり重い荷物を載せて初めて走るリポーターとはわけがちがいます。
また、子供を前後に乗せるときや、降ろすときが大変、ということで、抱き上げて乗せたり降ろしたりするときに、自転車が倒れるのだということを再現していました。
これも非常におかしいです。子どもを1人ずつ荷物のように乗せたり下ろしたりする母親はほとんどいないでしょう。
大体、下の子を前に乗せたり降ろしたりするのは抱きあげてするものの、後に乗る子は、母親が自転車を支えている間に、自分で乗り降りする場合が多いです。
だから、テレビでやっている実験は現実とは違っています。
ただ、最近後ろに取り付ける椅子の形状が、背もたれがしっかりしているものに変わってきているようで、この形だと、もしかしたら抱き上げて乗せないといけないのかもしれません。
子どもを乗せていて危ないのは、子供を乗せたままスタンドで自転車を立てておき、母親が自転車から離れて買い物などをする場合です。これは自転車が倒れる可能性があるので、非常に危ないです。こういう状況を何度かみたことがあります。
自転車から離れるときは、必ず子どもを降ろしてください。