ぴか の観劇(芸術鑑賞)日記

宝塚から始まった観劇人生。ミュージカル、ストレートプレイ、歌舞伎、映画やTVドラマ等も書きます。

05/05/17 火曜サスペンス劇場『歌舞伎役者 中村歌留多』で福助が主演!

2005-05-18 15:40:13 | テレビ
映画『蛇炎の恋』で映像への進出を果たした中村福助がTVの2時間ドラマで初主演。火曜サスペンス劇場も特別企画と銘打っている。玉三郎は別格として、女形では福助はその仇っぽさが大好きなので楽しみに観た。
中村福助の公式サイトの「気ままに語る」コーナーによると映画に続く映像ものとして、先代の勘三郎が戸板康二原作の「名探偵雅楽」シリーズ(歌舞伎役者の中村雅楽が身の回りで起こった殺人事件を推理して事件を解決するという話)のテレビドラマで主演していて、そういうのがやりたかったとありました。ということはシリーズで続けていってくれそうなので、楽しみが増えたというものだ(と、勝手にシリーズ化を決定している)。
中村福助の公式サイトはhttp://www.nakamura-fukusuke.co.jp/

今回のサブタイトルは「妖艶で華麗な女形が京都南座で演じる母の情と七変化、やり直しのきかない人生の恨み節」。ストーリーはいつもの火曜サスペンス劇場と同様、殺人事件が起こって主人公が謎解きをするというものだから省略。ミーハーな感想を中心に書く。
冒頭の娘道成寺を演じている場面は『蛇炎の恋』から持ってきているので横長映像。京都南座での公演ということでポスターも映画で見たことのある写真を活用。と今までの映像も活用してのドラマづくり。京都南座は行ったことがないが、ドラマ中、あちこちで劇場内の映像が出てきてこれも嬉しかった。一度は行ってみたいなあ。チケット代が高いらしいし、交通費がかかるからやはり東京地区限定の私だった。
中村歌留多への掛け声は「汐留屋」、これはどこから考えついたのだろう?舞台袖では幼馴染の侘助の西村雅彦がいて、所化の脛毛が伸びてたとからかわれ、楽屋では弟弟子蓮玉の赤坂晃が床山さんをどなっている...。そこで福助が花子の姿のままで地声でしゃべっているのがいい。うまい導入部で一気にドラマに引き込まれる。
その蓮玉にかけられた殺人の疑いをといていくのだが、京都府警の宇田川警部を夏木マリがカッコいいこと。警視庁からの出向という設定なので、これからも転勤しながら歌留多と一緒に全国の事件を解決するのかしら。母子家庭でその息子が歌舞伎好きなのは父親が好きだったからっていう設定。その子を福助の息子の児太郎が演じていて、歌留多に気に入られてすぐ双六の名で部屋子にしてもらう(そんなにすぐ部屋子になれるわけないのに~)。児太郎くん、3月の『盛綱陣屋』の小四郎では今ひとつという感じだったが、今回はなかなかいい。
赤坂晃は素顔の時はけっこういいんだけど、歌舞伎の立役メイクはうーん、顔が細いのに目がでかすぎでとても二枚目に見えない。今時のハンサムじゃない方が化粧してつくれるんだよね。最後、廃業して母の店を引き継いで立ち働く姿が一番かっこよかった。
西村雅彦は歌留多の幼馴染で「一郎ちゃん」なんて呼んでなかなかナイスフォロー。女形っぽい声もしぐさもよく研究して合格。これからもいいコンビで続けてほしいな。
肝心の福助、『蛇炎の恋』の時の演技はかなり不自然で表情も終始硬かったが、今回は冒頭の床山さんへの台詞でもう安心して観ることができた。普通の演技が身についてきているし、映像の仕事を楽しんでいる雰囲気が伝わってきた。次回が早くも楽しみだ。

今回、お話にからめたのは『葛の葉子別れ』だったので、安倍晴明を祀っている晴明神社にお参りするシーンも出てきてよかった。舞台では観たことがないので白狐の扮装で「せめて名残に、ただ一筆」と立って子どもを抱きながら障子に有名な歌「...うらみ葛の葉」(冒頭覚えてないのでスミマセン)を書きつける場面などは「あれってちゃんと筆で書くのね」と感心して見ていた。
来月のコクーン歌舞伎『桜姫』のいい宣伝になったんじゃないかな。まだ、チケット残っていそうだし。(私は6/24夜の部で観る予定)

写真は、中村福助の公式サイトの火曜サスペンス劇場『歌舞伎役者 中村歌留多』より。

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5 コメント

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福助はよかったけど・・・ (お茶屋娘)
2005-05-18 17:11:36
このシナリオはちょっとね~。歌舞伎{葛の葉」のストーリーに絡めることがまず前提だったので、肝心のミステリーとしての面白さはいまいち。骨髄移植のトリックはなかなか秀逸だったけれど。次作からは、脚本家さん、もっと練り上げてね。

福助さん、タートルが似合っておしゃれ。無理に、歌舞伎役者役にこだわらず、普通の刑事役なんかでも、かえっていいんじゃないかなあ。
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こちらでははじめまして! (みゆみゆ)
2005-05-18 18:02:18
こんにちは、

コメント&TBありがとうございました。

確かに筋は分かるべたな展開でしたね(笑)

だけど、歌舞伎ファンにはなかなか面白かったのでは?と思いました。

屋号の「汐留屋」は日テレの場所が汐留にあるから?と思いました(^^;
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私は週末に見ます (yukari57)
2005-05-18 22:40:34
私は実家のビデオで撮っているはずなので、土曜日に見る予定です、春猿も、能狂言入門も(初回見てなかなかでした)。福助の葛の葉、舞台ではえらい字が下手でしたが、テレビではなかなかだったと今日知人から聞きました。数年前に8月歌舞伎楽のあとにでまちしていて一番かっこよかったのが福助の素顔だったのを思い出してしまいました。セリフ、下手そうだけど。
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ちらっとみました (かつらぎ)
2005-05-19 00:58:37
かわいいですね>福助さん

江戸っ子弁バリバリで、ちょっと溜飲がさがりました。いったいどういう展開になるのかハラハラしましたが、まずは合格点というところでしょうか。西村雅彦さんが出ていらしたのも、個人的にはかなり、(かなり)うれしいです
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私も少しだけ見ました (あいらぶけろちゃん)
2005-05-19 08:09:19
最後まで見たかったんだけれど、姉妹けんかの仲裁やらなにやらで・・・冒頭の道成寺映画の映像だったのね~。ケロ2(小4)は生意気にも「これ見たことある」母ちゃんがTVでみてたのをちらっと見ただけだろ!!

清明神社とか一条戻り橋とかお約束の名所案内(笑)もあったし「葛の葉」もうれしい。

南座は顔見世(12月)はバカ高い料金なんですよ。京都人のステータスなんだそうですが・・・南座は歌舞伎座をこじんまりさせた感じです。改修されてから少し座席がゆったりになったんだったっけ?川から風が吹いてくるので開場待ちの間も底冷えにプラスされて寒いです。まねきのニュースが流れると「ああ冬になったな~」って思います。
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