パピとママ映画のblog

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アメイジング・ジャーニー 神の小屋より★★・5

2017年09月15日 | アクション映画ーア行
ウィリアム・ポール・ヤングのベストセラー小説を映像化した感動作。連続殺人犯に愛する者を奪われ、崩壊寸前の危機にあった家族に救いの手を差し伸べる3人組と父親の心の旅路を描写する。苦悩する主人公を『タイタン』シリーズなどのサム・ワーシントンが熱演。オスカー女優のオクタヴィア・スペンサーをはじめ、すみれ、アヴラハム・アヴィヴ・アラッシュらが共演している。

あらすじ:マック(サム・ワーシントン)は愛する妻と3人の子供たちに囲まれ、幸福に暮らしていた。ある日、キャンプ中に娘のミッシーが何者かによってさらわれてしまう。捜索から数時間が経過し、山の中にある荒廃した小屋で血にまみれた彼女のドレスが発見されるが、ミッシーの姿はどこにもなかった。その事件以来、マックは悲しみに打ちひしがれ……。

<感想>ウィリアム・ポール・ヤングの全米ベストセラー宗教小説『神の小屋』の映画化と言うので、物語は、一言でいうとキリスト教プロパガンダのごとき内容であります。サム・ワーシントン演じる主人公マックの、最愛の末娘ミッシーがキャンプで誘拐され、捜索から数時間後、廃れた山小屋で娘の血に染まったドレスが発見される。そこに残された証拠から、警察が追い続ける連続殺人犯の凶行であることは間違いなかったが、ミッシーの遺体が見つかることはなかった。

主人公を襲う試練の過酷さに反して、設定が幼稚すぎて学芸会レベルにがっかりした。だから、役者の使い方がもったいないですよね。不幸な事件で娘を失くし自暴自棄に陥っている男の魂の救済と、癒しを扱った涙と感動のベストセラーの映画化というキャッチフレーズだからなのかも。

確かに救済と癒しは描かれているが、製作者たちが意図した感動は、優れた映画が与える芸術的な感動とは別のものだろう。日本人だからなのか、不幸な人を見つけて、救いの手を差し伸べようと近づいて来る、新興宗教の持ついかがわしさのようなものを感じざるを得なかった。

山小屋のパートは、途中から別の映画が始まったのかと思うほどの驚きの展開と設定。もしも、このテーマを扱って真に魂の救済を目指すならば、聖書を一冊読み直した方がいいと思ったほど。

きっと、山小屋(神の小屋)へ誘ったのは、主人公のマックが幼い頃に母親を虐待する父を毒薬で殺したことを忘れているのでは、自分も人を殺しているのに、娘を殺した殺人鬼を「許してあげよ」と、導くために読んだのかも。

ところが、主人公が行く途中で交通事故に遭遇していることが映し出され、きっと自分も娘と同じ天国へいく途中だったのではないかと思った。だから山小屋で出てきた、神様という黒人のオクタヴィア・スペンサーを初めとし、日本人のすみれが流暢な英語で出演をし、ストーリー上で、重要なサラユー役でしっかりとセリフもあるし、中々の出来でした。彼女は妖精のような、交通事故で瀕死のマックを、娘のいる天国へと導く役目。

そこは、森の中に突然花園が現れ、別次元の世界観であり、娘もいるではないか。でも、一緒に帰ろうとマックが誘うも、ここに残るという娘の言葉に、自分は妻のいる家へ戻りたいと思うのだ。

それで、最後が、夢オチのような映像になって、娘を殺した犯人を許しなさいという、神の救済、教えがあるわけ。マックは、娘を見殺しにした神様を罵り罵倒する言葉を投げつける。

これは、やはり聖書を読まないと理解出来ないのではないかと。日本人ならば、あの小屋に現れた3人は、何だったのだろう?、神様、天使なのという疑問は最後まで残った。実話なのか、夢なのかも気になるところだ。
ですが、娘の誘拐事件の描写は、思いのほかショッキングで迫力があるので、そっちの方を上手く構成し直して描いた方が良かったのでは、と思ったが、そうなると、ホラー、サスペンス色が強くなってしまうからなのかも。

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