パピとママ映画のblog

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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール★★★

2017年09月18日 | アクション映画ーア行
渋谷直角の同名マンガを「モテキ」「バクマン。」の大根仁監督が、主演に妻夫木聡と水原希子を迎えて映画化したラブコメディ。奥田民生に憧れるうだつの上がらない雑誌編集者が、無自覚に男を狂わせる魔性の美女に振り回され、人生を狂わされていくさまを、奥田民生のヒット・ナンバーの数々とともにコミカルに描き出す。共演は松尾スズキ、新井浩文、安藤サクラ、リリー・フランキー、天海祐希。

<感想>人気漫画家でコラムニストの渋谷直角氏によるサブカル漫画「奥田民生になりたいボーイ・出会う男すべて狂わせるガール」を実写映画化したもの。映画の中ではコーロキの状況や感情、理想を代弁していた奥田民生の歌詞が、BGMとして流れてくるのは本作の醍醐味でしょう。

物語では、少年時代に歌番組で奥田民生の“カッコつけないカッコ良さ”に影響されて33歳の大人になったコーロキが、今でも自然体な大人を目指している。そんな彼が、念願のおしゃれライフスタイル雑誌「マレ」の編集部に異動となり、先輩のヨシズミ(新井浩文)から担当のクライアントを幾つか引き継ぐことに。

その一つであるブランド“ゴフィン&キング”の美人プレス、天海あかりに一目惚れしてしまう。彼女に気に入られたい気持ちが空回りしつつも、何とか挽回に成功したコーロキは、自分の熱い思いをぶつけて口説き落とし、あかりと付き合い始める。

尊敬する編集長の木下(松尾)からも期待をかけられて公私ともに上々なはずだったのに、気づけば自由奔放なあかりに翻弄されていたのだった。男を狂わせる魔性の女に、もがき苦しむコーロキの妻夫木くんの、三枚目ぶりの演技が滑稽でもあり、余りの演技の巧さに感心してしまった。

と言うよりも、天海あかりに一目惚れして、彼女を口説き落として有頂天になり、恋人にしてしまうのだが、編集の仕事は夜も昼もないくらい忙しい仕事なので、大好きな彼女のワガママに翻弄され、あかり好みの男になるために努力をするも、結局はフラれてしまうと言う物語。

演技が上手い妻夫木さんだから、雑誌編集者コーロキに成りきり演技で、ハマリ役なので難なく最後までスムーズに観れましたね。これまでにも男子が脳内で描く女の子の可愛さを、さまざまな女優を起用して描いてきた大根監督だが、本作でもそれは健在ですから。むしろ、水原希子が大根監督の心を、歴代の女優以上に鷲づかみにしてしまったのではないかと思うほど、彼女が持つ強烈なエネルギーが爆発し、パワーアップしているのだ。

魔性の美女・天海あかりには、水原希子さんが『モテキ』の100倍エロい演技を、可愛さとエロさが絶妙なキラキラ系の女子となって男たちを魅了する。水原希子さんが、そういった役をなんの躊躇なくやり遂げているのも可愛いし、キスシーンも多いし、ベッドシーンもありで、男性の方なら絶対に満足するエロイシーンもあるので期待して、お見逃しなく。そうそう、天海祐希があかりの事務所の社長で、ちょっとだけ出て来るのも良かった。
それに、天海あかりの衣装は毎シーン変わり、さすがにモデルだけあってどれも素敵で似合っている。もちろん奥田民生さんの楽曲もふんだんに使われていて、知らない人にも楽しめる、笑いがそこかしこに散りばめられて、コメディ映画としても受けます。

その他に、倖田シュウにリリー・フランキーさんが志村けんさんの物まねをして笑わせてくれるし、猫を飼っているライターの美上ゆうには安藤サクラさんが扮して、飼い猫がたくさんいるので毎日猫に振り回され、原稿が上がるのが遅いというか、猫次第という。それに、編集長の松尾スズキさんもあかりと付き合っていて、まさか天海あかりに耳をナメナメしてもらい、結婚を申し込む中年エロオヤジみたいな感じで、出て来るのも面白かった。

先輩のヨシズミもあかりの元恋人だったということを知るコーロギ。彼女に惚れた男たちは例外なくボロボロになるが、本人たちは幸せそうだからそれでいいのだろう。

しかし、本作のキーとなるのが、“力まないカッコイイ大人”の代表・奥田民生である。コーロキが「奥田民生ならどうするか」と考えて行動するも、その憧れは叶うどころか、あかりの圧倒的なパワーに敗北するわけ。

コーロキはどういうわけか、ラストで猫を飼っているライターの美上ゆうこと、安藤サクラと夫婦になっているような塩梅に唖然とさせられつつ、あかりは、外国人と仲良く腕を組んで楽しそうだし、そんな結末に、妄想男子は憧れへの悪酔いから醒めて大人になれたのだろう、その後味は結構苦いはずだと思う。
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