ぶらぶら人生

心の呟き

『近代秀歌』

2023-07-06 | 身辺雑記
 永田和宏著『近代秀歌』を再読。


     

 
      お勧めの一冊。



 歌人の作者によって選び抜かれた100首の歌を中心に、十章に分けて、近代の秀歌が紹介されている。柱となるのは100首だか、さらに100首以上の歌が取り上げられている。 

 第一章 恋・愛  
      人恋ふはかなしきものと
 第二章 青春
    その子二十櫛にながるる黒髪の 
 第三章 命と病い
    あかあかと一本の道とほりたり
 第四章 家族・友人
    友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
 第五章 日常
           酒はしづかに飲むべかりけり
 第六章 社会と文化
    牛飼が歌よむ時に
 第七章 旅
    ゆく秋の大和の国の
 第八章 四季・自然
    馬追虫の髭のそよろに来る秋は
 第九章 孤の思い
    沈黙のわれに見よとぞ
 第十章 死
    終わりなき時に入らむに

 となっている。その章の立て方、歌の選択も素晴らしい。
 この本を最初に読んだのは10年前だから、ブログにも感想を書いているだらう。が、何を書いたかは、全く思い出せない。

 私自身は、短歌形式で思いを綴ろうとしたことはない。が、人の作品を読むのは好きである。
 この本は座右に置いて、今後も、折々読みかえしたい。

 老いとともに、読書力、読解力も弱るものだなあ、と、最近思うようになった。その点、エッセイや短歌、俳句などを読むのは、苦にならず、まだ楽しめるような気がしている。

 短歌に親しんだ最初は、石川啄木であった。戦後の13歳ころ、通学の汽車の中で、『一握の砂』『悲しき玩具』を誦じた。啄木の次に接したのは、北原白秋であった。

 好きな歌人を5人あげるとすれば、やはり石川啄木、北原白秋、若山牧水、窪田空穂、与謝野晶子ということになるだろうか。




  施設の自室から見た今朝の朝陽。

    



コメント
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