『天声人語』の書き写しノートを使っている。(………年………月………日より)
使い始めのころは、毎日書くことにしていたが、最近は自分で取捨選択して書いている。
生活の場が、昨年来、二か所となったが、新聞は家の方へ配達してもらっている。長ければ一週間不在のときもある。まとめ書きするのが億劫であることが大きな理由である。家で切り抜きし、施設で書き写しをしている。
フリクションでさらさら書くので、時間はかからない。人に見せるものではないので、<タイトル>も、<要約・感想>も、深刻に考えたりはしない。私自身の一瞬の思考や表現を楽しんでいるにすぎない。
一年が終わるにあたって、<要約・感想>を読み返してみると、今年一年の、「ある日ある時」の思いが記されていて面白い。自分で書いたことさえ忘れている思考の断片の面白さを感じた。
朝日新聞の『天声人語』を読んだ85歳の老女の雑感として、とどめておく気になった。
1月7日(星野仙一さん生き方)
好き嫌いは別にして、生き方の上で一本の筋を貫いた人であったのだろう。真似のできないとところがある。70歳の逝去が惜しまれる。
1月11日(塩の日・塩にまつわる話)
戦後に「塩」のない時があった。父が海水を汲んできて、塩の代用とした。塩という食生活の必需品が入手できなかった時代。それを知る人も少なくなっている。