冷え込みの厳しい朝となった。
この冬初めて、路傍の草に、うっすらと霜が下りているのを見た。
さすがに冬!
しかし、朝の散歩には、冷気が心地よい。
快晴の冬晴れを予想させるような縹色の空が広がり、風もなく穏やかな朝であった。
花作り名人の家前にさしかかると、
「待っていました。これを見ていただこうと……」
主の手には、群青色の鉢があった。
冷たい朝、気まぐれの散歩者がさしかかるのを待っていて下さったらしい。内心、サボらずに歩いてよかったと思う。
「名前が分からないのですが……。実が垂れ下がっているでしょう。それが気に入って、植えてみました。しかし、今年は実が少なくて……」
主は少々恐縮気味に、鉢を私の前に置かれた。
このところ、その庭にあるクロガネモチ、万両、千両、藪柑子など、赤い実ばかりに私が関心を示したので、<そうだ、この鉢も、実のつきは悪いが、見せてあげよう>と思われたのに違いない。
鉢の土に届きそうな格好で、一房の赤い実が垂れている。(写真)
赤い実の大方は、葉の緑との対照で、その美しさを際立たせているのに、この植物は、葉までが赤い。そこが珍しい。どうかすると、実よりも葉の、鮮やかな赤の美しさの方に見とれてしまいそうなほどだ。
落葉樹なのだろうか、そのことを聞き忘れてしまった。
植物一つ一つの個性が、見れば見るほど面白い!
この冬初めて、路傍の草に、うっすらと霜が下りているのを見た。
さすがに冬!
しかし、朝の散歩には、冷気が心地よい。
快晴の冬晴れを予想させるような縹色の空が広がり、風もなく穏やかな朝であった。
花作り名人の家前にさしかかると、
「待っていました。これを見ていただこうと……」
主の手には、群青色の鉢があった。
冷たい朝、気まぐれの散歩者がさしかかるのを待っていて下さったらしい。内心、サボらずに歩いてよかったと思う。
「名前が分からないのですが……。実が垂れ下がっているでしょう。それが気に入って、植えてみました。しかし、今年は実が少なくて……」
主は少々恐縮気味に、鉢を私の前に置かれた。
このところ、その庭にあるクロガネモチ、万両、千両、藪柑子など、赤い実ばかりに私が関心を示したので、<そうだ、この鉢も、実のつきは悪いが、見せてあげよう>と思われたのに違いない。
鉢の土に届きそうな格好で、一房の赤い実が垂れている。(写真)
赤い実の大方は、葉の緑との対照で、その美しさを際立たせているのに、この植物は、葉までが赤い。そこが珍しい。どうかすると、実よりも葉の、鮮やかな赤の美しさの方に見とれてしまいそうなほどだ。
落葉樹なのだろうか、そのことを聞き忘れてしまった。
植物一つ一つの個性が、見れば見るほど面白い!