ぶらぶら人生

心の呟き

赤い実 13 (名前は不明)

2006-12-20 | 散歩道
 冷え込みの厳しい朝となった。
 この冬初めて、路傍の草に、うっすらと霜が下りているのを見た。
 さすがに冬!

 しかし、朝の散歩には、冷気が心地よい。
 快晴の冬晴れを予想させるような縹色の空が広がり、風もなく穏やかな朝であった。

 花作り名人の家前にさしかかると、
 「待っていました。これを見ていただこうと……」
 主の手には、群青色の鉢があった。
 冷たい朝、気まぐれの散歩者がさしかかるのを待っていて下さったらしい。内心、サボらずに歩いてよかったと思う。
 「名前が分からないのですが……。実が垂れ下がっているでしょう。それが気に入って、植えてみました。しかし、今年は実が少なくて……」
 主は少々恐縮気味に、鉢を私の前に置かれた。
 このところ、その庭にあるクロガネモチ、万両、千両、藪柑子など、赤い実ばかりに私が関心を示したので、<そうだ、この鉢も、実のつきは悪いが、見せてあげよう>と思われたのに違いない。
 鉢の土に届きそうな格好で、一房の赤い実が垂れている。(写真)

 赤い実の大方は、葉の緑との対照で、その美しさを際立たせているのに、この植物は、葉までが赤い。そこが珍しい。どうかすると、実よりも葉の、鮮やかな赤の美しさの方に見とれてしまいそうなほどだ。
 落葉樹なのだろうか、そのことを聞き忘れてしまった。

 植物一つ一つの個性が、見れば見るほど面白い!
 
コメント
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