変種を集めることも、名人の趣味らしい。
しかし、私の好みからすれば、やはり万両は赤がいい!
冬という寂寥の季節にも、赤が似合う。
花作り名人の家の庭で、クロガネモチの写真を撮らせていただいた日、
「こちらは、斑入りの万両です」
と、教えてもらった。
見ると、葉の縁が淡黄緑色に縁取られている。(写真)
おしゃれである。
万両といえば、家にある植物を漠然と想像し、それがすべてであるように思っていたのだが、色々変種があるらしい。
向かいの家の方が、<山の土産>を届けてくださった。
ツルウメモドキ。(写真)
いただいた時(12月1日)には、蔓に絡まりついた実は、まだ黄色の粒だったのに、東京から帰ってみると、外側の殻がはじけ、赤い種がのぞいていた。野の風情があって、なかなか美しい。
その名の通り、蔓性の植物らしい。山野で直接見る機会に恵まれていないので、木に絡まる習性も、葉の特色も知らないのだが、葉形が梅に似ているので、その名に<梅>が添えられているのだそうだ。
漢字で表記すると、「蔓梅擬」。
季語としては秋。作句のときには、梅を省略して、「つるもどき」ともいうらしい。
私が上京中に、突如、赤い実をつけたのか、今まで気づかなかっただけなのか?
先日、10日の朝、花作り名人(私が勝手にそう呼んでいる)の庭に、様々な木が、赤い実をつけているのに気づいて、立ち止まった。
ちょうど主が玄関から出てこられたので、その名を聞いた。
「クロガネモチです」
形よく剪定された木の方には、まだ実の数が少なかった。
「育て始めて、かれこれ10年になるのに、今年初めて実をつけてくれたのです」と、主は嬉しそうだった。
その傍に、樹形はあるがままの自然体で、形の美しさこそないが、実をたくさんつけたクロガネモチの木があった。(写真)
この樹木は、関東以西には多くある常緑高木らしく、その名はよく聞くのに、しげしげと眺めたのは初めてである。
実がなるということは、花の時期があるということだろう。
元気で散歩を続け、花に巡り合える日を楽しみにしよう。