それが、国立西洋美術館内にあるカフェ「すいれん」である。
前日友だちと行った「韻松亭」同様、ここにも順番待ちの客が、入り口近くの長椅子にかけて待っていた。しかし、その人数は知れているし、この日(6日)は、ひとりなので、行動に自由がある。予約だけして待った。
暫時待って案内され、席に落ち着いた。
正面に、ケヤキらしい大樹が見える。(写真・ガラス越しに撮った庭の眺め)
私のようなひとり客も結構いるが、どちらかといえば二人連れ、三人連れが多い。したがって、室内には囁きが、さわさわと漣のように流れている。が、それが一向に気にならない。騒音というより、やや人工的なバックミュージックのように聞こえる。
音というのは不思議なものだ。聞く場所によって、騒音が騒音でなくなるのだから。
コーヒーとケーキがおいしかった。
ダリ展を観た後だったので、上野の森美術館で求めた本、『ダリ』(ジャン=ルイ・ガイユマン著)を開いて、しばらく読みふけった。
都会でしか味わえない、こうした時間の過ごし方が、私の気性には妙に合っている。
ついでにブリューゲルの絵を観てこようと、階段を下りていった。
国立西洋美術館では、『ベルギー王立美術館展』を開催していたので。