ぶらぶら人生

心の呟き

日本海の栄螺

2006-12-26 | 身辺雑記

 先日、近所の知人から、新鮮なサザエをいただいた。(写真)
 海辺に住んでいると、サザエは見慣れた貝なので、簡単に見過ごしがちだが、よく見ると奇妙な形をしている。

 漢字では、栄螺・拳螺と表記される。二つに共通する「螺(にな)」は巻貝を表し、前者の「栄」は、「さかえる」の「さ」音を借り、字義の持つめでたさも考慮したものかもしれない。(あくまで想像だが)
 後者の「拳」は、サザエの形を表現したものと理解して間違いないだろう。
 鞏固な殻に身を包み、ごつごつした突起で身を鎧い、実にいかめしい感じだが、あの大海で生き抜くには、それぞれの生き物は、それ相応の工夫が必要なのかもしれない。

 身はおいしく、貝殻も貝ボタンなどに変身し、生活品として役立つようだ。
 あの蓋も面白い。渦巻状の模様などつけて気取っている。子供のときには、なんでも宝物のように思え、サザエの蓋集めをしていたことがある。時にはおはじきのように弾いて遊んだり……。

 サザエといえば、まず壷焼きだが、このところ、ノロウィルスが蔓延しているらしいので考えものだ。なんでも、貝類は生で食べない方がいいらしい。壷焼きなら大丈夫かとも思ったが、火の通り具合はどんなものだろう?
 それに、以前、獲れたばかりの、生きのいいサザエを壷焼きにしていたところ、お尻を炙られてたまりかねたサザエが、天井まで飛び跳ねたことがある。あれ以来、壷焼きはちょっと苦手でもある。
 とにかく安全策をとり、湯がいて身を取り出すことにした。
 
 しばらく眺めた後、作業にかかった。台所に海の香が広がった。
 冷凍庫で保存すれば、好きなときに取り出して料理できる。
 いつか貝飯を炊くことになるかもしれない……。

コメント
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