ぶらぶら人生

心の呟き

思い草

2006-10-06 | 身辺雑記
 今年も、裏庭の崖下に、「思い草」の花が咲いた。
 こんなところに、奇妙な花が……と、カメラに収め、その正体を確かめたのは、昨秋のことであった。昨年は、わずかに一つだけ咲いていた。
 その名は別名「ナンバンギセル(南蛮煙管)」「きせる草」とも言われる。
 「思い草」の呼称は、花の姿が、人のもの思いにふける姿を髣髴させるし、「南蛮煙管」の方は、花の形状が、そのものズバリで、なるほどと思わせる。
 <ハマウツボ科の一年草の寄生植物。各地の草地のススキ・カヤ・サトウキビ・ミョウガなどの根に寄生する。>とある。(「日本国語大辞典」)
 日本には古くから自生した花のようだ。

 道の辺の尾花がしたの思ひ草今さらになに物か思はむ<作者未詳>
                            (「万葉集」巻10-2270)
 という歌のあることも、上記辞典の「思い草」の項に紹介されていた。

 なんとも思議な花だ。茎がすーと伸びて、その先に横向きの花が咲く。淡いピンク色の花だ。
 <果実は球形の果で細かい多数の種子が入っている。>とある。(上記辞典)
 この説明を読んですぐ、裏の崖下に行ってみた。
 「思い草」は枯れ色にはなっていたが、まだしっかりと、形をとどめていた。
 花のつけ根の膨らみに指を当ててみると、そこは硬く、中に実の入っている気配だ。そのうちはじけて、来年はさらにたくさんの花を咲かせてくれるのかも知れない。楽しみである。(今年の花数は、合計十個だった。)

 写真は、9月17日に撮影したものである。ちょうどパソコンの修理中で、写真を取り込むことも、ブログに原稿を書くこともできなかった。
 今日改めて書き記すことにした。

 朝の散歩中にも、歩道の崖に一つだけ咲いているのを一度見かけた。
 が、その後、その場所を探しあぐねている。ぼんやり眺めているだけでは、なかなか見つけにくい花である。よく目を凝らせば、あちこちに咲いているのかもしれない。

 
コメント
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