そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

「土人」という言葉を吐く機動隊

2016-10-20 | 沖縄問題
沖縄県高江では、今、米軍のためのヘリパッドの建設工事が強行されている。反対する住民たちに対し、安倍政権は全国各地から機動隊を動員し、暴力による支配を貫徹している。
大阪府警から派遣された1人の警察官による「土人」発言です。
「触るなクソ、触るなコラァ、どこつかんどんじゃコラ、ボケェ、土人が!」
緊張関係にある現場ではあるが、権力側のこの発言が問題なのは、対等でなく上から見下ろす立場でありながら、こうした暴言を吐いていることである。何か口実でもあればたちどころに、公務執行妨害として、逮捕できる立場であることを理解していない、権力者側の暴言でもある。

本音かどうか判らないが、この発言に対して菅官房長官は「あってはならない」と発言と言い、大阪府警も遺憾の意を表明し、この機動隊員を大阪に戻している。ところが維新の会代表の、府警職員の最高責任者でもある松井大阪知事は、「人間ができていないのだろうが、『売り言葉に買い言葉』で口がすべったのではないか」と擁護した。機動隊に対しては、「ご苦労さん」と述べている。
このほか別の機動隊では、「シナ人」という言葉も吐いている。

これに対して、翁長沖縄県知事は、県警の池田克史本部長を呼び、強く抗議した。更に知事は、「県民の感情を逆なでし、悲しみに陥らせる厳しい言葉だ。こうした発言を、他の都道府県にもするのか。沖縄にだけではないのか」と強い不快感を示している。知事は、沖縄の機動隊員ならこのような発言はしない。他の府県にっても同じであると述べた。
沖縄に対しての強い差別意識、優越意識を機動隊員は叩き込まれて派遣されている可能性すらある。機動隊員の言葉は沖縄県民が、長い歴史の中で「棄民」扱いされてきたことと符合すらする、「土人」「シナ人」という言葉である。
この棄民政策の延長上に、沖縄戦があり基地がある。
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恐怖のモスル奪回作戦、その後どうするのか

2016-10-20 | イラク
「イスラム国」(IS)が支配するイラク第2の北部の都市モスルに、イラク政府軍、クルド人民兵軍団ペシュメルガ、トルクメン人など少数部族の武装勢力が加わる解放作戦が17日から始まった。モスル奪回作戦である。地上兵は撤退したアメリカ軍は、空爆による支援をするということである。
モスルは人口150万の大都市である。2年前に、ISに支配された現在でも100万人はいると思われる。2年に及ぶISの支配下の実情はよくは解っていないが、彼らもゲリラ戦に備えていたはずである。ISの戦闘要員は5千から8千と言われている。対するイラク軍などは総勢で5万人を超える。ISはゲリラ戦に備えている。彼らの主要戦法は自爆である。市内には地下道が張り巡らされていると思われる。市内に侵攻してからの戦いが生産を極めるだろう。
もっとも心配されるのは、モスルの一般市民である。これだけの市民を抱えたままで、自爆をいとわないIS戦闘員が何をしでかすかわからない。市民を盾にすることであろうが、イラク政府軍はお構いなしに攻め入ることであろう。その後発表されるであろう戦果の公式発表に、犠牲になった市民の正確な数字が示されるであろうか?
暴力は新たな暴力しか生み出さない。イラクがそのいい例であるが、モスル奪還は少なくともその教訓を踏まえていない。
そもそも、ISが2年前にモスルをほぼ無血で奪還したのは、シーア派のマリキ政権へのモスル市民の反発が根底にある。今回の奪還についても、政治的な交渉は全くなされていない。暴力的にモスルを奪還しても、ISの実質的な支援国の、サウジアラビアがどうした態度で応じるかも不明のままで、新たな政治的問題を生むだけなのである。
更に、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、モスル解放で新たに難民が20万人は出ると予測している。イラク政府はこれらへの対応はったく考えていない。そもそも、この2年間全くモスルへの作戦はなかったのである。それはマリキのスンニー派へのあてこすりであるが、ISを追い出しても、モスル市民の政府アメリカへの不信は収まることはないだろう。
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羅臼港

春誓い羅臼港