そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

ギリシャのEU離脱はありえない、踏み倒されるしかない

2015-07-09 | EU

日本の多くの報道は、ギリシャがいかに怠惰で仕事もせずにいるのかという情報を垂れ流す。国民の25%が公務員で、早期退職して年金で遊んで暮らしているというのである。そのことは事実であるかもしれない。それが、一国の問題であれば、彼らの通貨は国際的評価を落とすことによって、それなりの生活レベルで国際的には何の問題も起きることはない。国内問題は別次元であることになろうが、解決は多分可能なのである。

ところがギリシャはEUの加盟国で、通貨は共通通貨のユーロである。国内政策も九通であるなら問題はないのであるが、各国がユーロを使って経済活動をして、独自の財政政策を行っているのである。然しながら、国際的な通貨評価はユーロということになる。それはギリシャでもドイツでもフランスでも同じである。
上のグラフは昼の番組から失敬したものである。ドイツは一時東西統合でマルクの価格は下がったが、不良国家も入り込んだおかげで、ユーロはドイツがいくら堅調な貿易収支になっていても、価格は下がることがないのである。技術が高く勤勉な貿易立国のドイツは、そのおかげで大儲けである。
その一方でギリシャは、自国の経済力とは裏腹にユーロの高い評価は厄介である。観光立国にいくらお客が来ても、一向に金にならない。給与も高くなるので経済力のない国は、景気が上がらない。
働かないこともあるかもしれないが、ギリシャはユーロを使う国家のように高い賃金が払えない。EUはギリシャを追い出すようなことぉして、信用の失墜はしたくはない。
今後は多少の緊縮財政を行いながら、再度の財政支援のもとで、ほとんどの借金を踏み倒す以外の選択はない。過去に前例がある。第一次世界大戦の後、多額の倍賞金を踏み倒せと言って政権の座に就いたのが、ヒトラーである。メリケルは、何らかの理由は用意するであろうが、ギリシャの債権の不払いもしくは減額を認めることになる。
EU統合は、ドイツが戦争を起こしたことへの反省で行われた。皮肉にもドイツの一人勝ちになってしまったが、通貨統合をするのなら、各国の財政政策は個別に行うべきではないのである。でなければ、新たなギリシャが生まれることになる。
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