そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

日本のハンバーガーは1万円以上になるだろう

2015-04-26 | アニマルウエルフェアー
昨日の続きです。私はハンバーガーを食べたことがありません。田舎だから無いこともありますが、マクドナルドにも行ったことがありません。
昨日紹介した、「ファーマゲドン」ではハンバーガーのコストは穀物を肉に変えるコストや水やエネルギーを加えると、100ドルになると報告しています。しかしこれはイギリスのことです。日本では、肉牛に与える穀物のほぼ全量をアメリカから、無関税で輸入しています。人の食料の評価基準に、フードマイレージという評価があります。遠くから運ぶことによる、エネルギー評価を食料に加えるというものです。牛肉1キロ生産に20キロの穀物が必要と、本書ではしていますが、穀物を大量に投与する日本の和牛の場合は30キロにもなります。場合によってはその倍を越えることにもなります。
大量にエネルギーを投入した広い面積の、コーンの評価を更に加えなければなしません。そして、土壌や地下水など環境汚染の評価も将来的な部分も加えると、計り知れない金額になります。
これは原発(核発電)の電気コストが安価だったということに酷似します。事故が起きるという予測もないし、将来的な法性物質の処分についても知らぬふりをしての評価ですが、これにもそっくりです。
穀物を大量に家畜に与えるとによる不具合は、 ①将来的な食料危機を拡大させる ②不健康な畜産製品による人の健康障害 ③家畜の健康障害の管理と早期廃棄によるロス ④環境汚染の評価 などがコストに入っていない。
イギリスの、ハンバーガーが100ドルの評価が正しければ、日本の場合は150ドルは下らないであろう。

これらの問題は、原発事故のように一気に起きるものではない。しかし、原発事故のようにひょっとしたら、当分起きないかもしれないが、食料問題はゆっくりではあるが確実に起きることである。
日本では、現在アベノミクスと称する新自由主義が政策が行われている。この思想は、勝者と敗者を作るシステムといって良い。食料のように、欠かすことができないばかりか、質を問われ環境汚染なども危惧されるものについては、価格ばかりで評価して締め付けるのは大きな問題である。
環境にも家畜にも健全な生産システムを政治は支援しなければ、子孫に大きな負の財産を残すことになり、人類の将来は危ういものになる。
コメント (1)
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