TPP交渉がとん挫している。日米の交渉が暗礁に乗り上げたようである。結局は日米交渉の場になると言われていた、TPPであるがその通りの経過である。
日本は自動車に関して既に、アメリカ車の輸入関税撤廃のスケジュールをアメリカに提出している。TPP参加交渉の入場券と言える。
そのアメリカが、軽自動車の存在そのものを不合理だと指摘している。これではアメリカ車が売れない。軽自動車なる、世界にない区別と税は撤廃せよというのが、アメリカの言い分である。トヨタなども同じ主張である。主力車が売れないというのである。
これを受けて自公与党は、軽自動車税の撤廃に動き出している。世論の反対が大きいので、軽自動車税は新たに購入する場合に限るようにする方針である。単なる先送りである。
軽自動車は日本という、山地が広く傾斜もある狭い国土で育まれた車である。制度として、税率の軽減などを行って小さな車の技術の発展を、国も支えてきた経緯もある。軽自動車開発技術は、一般車に応用され輸出車の基礎技術にも貢献している。日本独特のコンパクトで便利な車は世界を席巻している。
軽自動車は、小規模企業や農家や、低所得者の方の利用が多い。軽自動車はある意味、車の「軽減税率」ともいえる。つまり、消費税でも誰もが必要とする、食糧や医療や教育は軽くしているのであるが、これが軽減税率である。
弱者から徴税する安易な手法は、古くからおこなわれている。近代国家の政治とは、富の分配がもっとも大きな仕事である。そして社会保障である。
安倍政権が、強者の言い分に従い弱者からの徴税を加速する姿勢は、消費税でも見られる手法である。軽自動車税は存続させるべきである。