当地でTPPの講演会をやりました。実行委員として参加していましたが、TPPは農家だけの問題・懸念と思われがちなので、全町的な取り組みにするために、数多くの団体に声を掛けました。役場や農協は漁協に加えて、町内会や商工会や建設業界の講演もいただきました。
会場に入りきらないほどの盛況で、全席が埋まり椅子を両サイドと後ろも並べなければならない忙しさでした。講師は北海道大学の、東山寛先生にお願いしました。
選挙公約のことなど忘れた自民党のTPP参入で、すっかり諦めた人が多くて参加者が少ないだろうと思っていましたが、思いの外の満席で驚きました。全町的な取り組みになったと言えます。
講演内容は、TPPが従来の貿易交渉と全く異なり、除外品目や再協議がないこと。関税の撤廃が原則であること。関税には意味があること。交渉は多国間で同時にやること、食糧自給率の話などどこにもないことなどの矛盾点を、次々に指摘していただきました。
地方にしわ寄せが来ることの的確な指摘もありました。東山氏の指摘は、郵政、農協、病院が失われて地方の機能がなくなってしまうというのです。郵政はすでに黒字部門の保険が、アフラックに数年後にはとって代わられて、郵便事業は赤字事業になるだろう。やがて農協の共済も同じ運命をたどるというものです。
それでいて、アメリカは自国の共済制度に類する制度は、政治的に保護しているというのですから驚きです。
フォンテラというニュージーランドの乳業会社は、経済成長著しい中国に乳製品を売っていますが、量が足りなくなってしまいました。そこで北海道の酪農業に接近しえ居ます。浜中などの来たことが奇異でしたが、そうした目的があることを知りました。
もう少し視野を広げてTPPをみれば、規模の小さな産業、結局は弱者が経済効率の中では不利になると言えます。TPPは企業は国家間の制度には踏み込めないために、国家を動かした結果行き着いた制度と言えます。
安くなれば消費者は恩恵をもらうという、経済効率一辺倒の新自由主義は巨大な企業と国家を潤すだけになる。TPPという無関税システムは、その入り口になるであろう。