石破茂自民党幹事長が日本記者クラブで、報道者が入手した特定秘密を報道した場合について、「その報道行為は何らかの方法で抑制される」と発言した。その後、騒ぎが大きくなったので、この発言は一応は訂正している。
石破の訂正はおかしい。特定秘密保護法の趣旨に反する。石破の本心も、記者クラブの発言に近いはずである。
予算員会で担当大臣は、西山太一元毎日新聞記者の行為は、当然処罰の対象になると発言している。西山記者の報じた記事は、沖縄返還に関して日米で交わされた密約を暴くものであった。記者の取材に関わる行為と、これを漏らした公務員も処罰されている。
この密約が事実であったことは、後ほどのアメリカの公文書公開で証明されている。この時の密約は、沖縄にとっても日本にとっても国益に背くものであったことは、今日の混乱を見ると明確である。
石破は国民の多くが疑念と不安を抱く、特定秘密保護法に対する感情が冷めるまでの時間、とりあえず否定したに過ぎない。石破の訂正内容が正しいようだと、特定秘密は漏えいしてしまう。石破は、この法律の本質を隠そうとしたのである。
物忘れが激しい日本人が、この法律のあったことも忘れるまでは、石破の訂正発言内容でいくのであろうが、その後が怖いのである。