そりゃおかしいぜ第三章

北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治を問う

シリアの巧妙さは何時まで続くか

2012-03-02 | 政治と金

自国の国民に銃を向けるシリア軍はいつまで続くのであろうか。このような非人道的で理不尽な行動には心痛む。ネット配信される動画は、彼らがテロリストだと断じるアサドには、何の根拠もない。

アサド政権が崩壊しない理由と、中国とロシアが支援するのにSyria_crisis_by_ro_cha
は根拠がある。アサドお世継ぎ政権の、アラウィー派はシリア内でも10%そこそこしか基盤のない宗派である。国民の多くは、スンニー派である。70%程度といわれている。

アサド政権は、国の経済を握るスンニー派に多くの利権をPhoto与えている。代わりに政権をもらうというような型を、先代のアサド大統領が作った。彼らの多くは、ダマスカスなど都会に拠点を持つ、スンニー派の人たちである。

アサドは、政権を追われると存命も危うい、少数派の存在である。アサドは必死に、田舎の「アラブの春」をテロリストと言いくSyria_merits_a_political_solution
るめて、無差別攻撃を行っているのである。

周辺各国には、今のままのほうが都合がいい国々がたくさんある。敵国のイスラエルですら、隣国のアサドの崩壊は混乱が大きくなる。

トルコもイラクも国境を接しながら、反政府勢力を支援すらしない。アラブ連盟は、アサドの非難を繰り返すが、国連の決議すら、ロシアと中国の拒否権発動で、効力を失う。

ロシアは、中東の友好国のリビアの崩壊を重ねてみている。介入した欧米は、政権崩壊後はロシアの利権を分け合っている。アサドを非難しながら、リビアのように介入ししない欧米とアラブ連盟である。

少数派の存在であるアサドは、国内同様に周辺諸国に対しても微妙な力学で生き延びている。それも時間の問題であろうが、その間に殺される武器を持たない国民は、哀れのひとことである。

コメント (1)
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