世界に原発は、90カ国で436基もある。日本は12%も所有していることになる。福島原発事故の後、日本はウジウジする政治をしり目に確実に、脱原発に向かっている。少なくとも新たな原発建設は、容認派が相当台頭してきても無理であろう。
福島原発事故を受けて、ドイツとスイスが脱原発へと動き出した。しかし、世界を見る限り原発依存の傾向に陰りは見えない。
104基を有するアメリカは、オバマが早々に”安全”な原発依存を打ち出した。さらには、34年ぶりに新たな原発を建設することも決めた。日本の東芝の子会社が請け負う。
アメリカが日本と異なるのは、福島原発事故を受けて「福島原発事故特別分析チーム」を立ち上げたことである。政府から独立した、原子力対策室(NRC)という組織もある。実際はたった一つのチームでありながら、政府と一体になった日本の原子力村とは異なる。
福島を教訓にするべく、アメリカは動き出している。多分に政治的な動きである。
新興国はさらに積極的である。中国とインドとロシアで、現在40基が建設中である。IAEAの予測では、2030年までに世界で90基ほど増えるとしている。
世界各国の政治家は、原子力の安全性は言及するが、実際には依存傾向は収まらない。
原発事故に国境はないことは、チェルノブイリが如実に語っている。福島で汚染水を海洋投棄というバカなことをしたら、即座にロシアと韓国が異論を唱えた。国境など放射能にはないことは明らかである。
スイスのエネルギー関係者は「原発の安全性は高められても、ゼロにはできない」という発言は当然である。これは、事故を起こした日本が発信しなければならないことである。
さらには原発は、短期的に有利なことが少なからずあるものの、使用済み廃棄物や採掘にかかわる放射能汚染問題は、永久に解決不可能なことである。