田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

エンパイア・オブ・ライト(Empire of Light)

2023年03月01日 14時17分37秒 | 日記

Empire of Light (2022) - Filmaffinity

EMPIRE of LIGHT」映画への愛、80年代音楽へのリスペクト…思いこもった傑作(日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース

OPINION | REVIEW: 'Empire of Light' misses the mark

 「アメリカン・ビューティー」「1917 命をかけた伝令」の名匠サム・メンデスが、「女王陛下のお気に入り」のオリビア・コールマンを主演に迎えて描いたヒューマンドラマ。

厳しい不況と社会不安に揺れる1980年代初頭のイギリス。海辺の町マーゲイトで地元の人々に愛されている映画館・エンパイア劇場で働くヒラリーは、つらい過去のせいで心に闇を抱えていた。そんな彼女の前に、夢を諦めて映画館で働くことを決めた青年スティーヴンが現れる。過酷な現実に道を阻まれてきた彼らは、職場の仲間たちの優しさに守られながら、少しずつ心を通わせていく。前向きに生きるスティーヴンとの交流を通して、生きる希望を見いだしていくヒラリーだったが……。

「ブルー・ストーリー」のマイケル・ウォードがスティーヴンを演じ、「英国王のスピーチ」のコリン・ファース、「裏切りのサーカス」のトビー・ジョーンズが共演。撮影は「1917 命をかけた伝令」でもサム・メンデスとタッグを組んだロジャー・ディーキンス。(映画.comより)

 

 

<2023年2月23日 劇場鑑賞>

 こういう映画、好きですね。自分が映画好きってこともあるのでしょうが、こういう大きな老舗映画館が舞台の作品って、素敵ですね。過去の栄光の残り火がすくぶり、全盛期ほど稼働してないけど、ちゃんと営業していて。少ないながらも客は入ってて。スタッフも複数ちゃんといて。いいですね、こんな映画館で働いてみたいです。真面目にがんばるから(笑)。

 でも、ここでのメインテーマは、こだわりの強い映写技師でも、オリビア・コールマンにセクハラしている経営者コリン・ファースでもなくて、イギリスになお現存する(映画の舞台は1980年代だが)有色人種に対する露骨な差別・迫害でしょうね。「カセットテープ・ダイアリーズ」を見た時も、あまりに露骨な迫害に驚いたと同時に「なんでこんな目に遭ってまでイギリスに住み続けるんだろう」と思ったのを覚えています。平和な日本で育った自分に、想像力が欠如しているだけかもしれませんが。あの時と同じレベルのいじめが、今回は主演の黒人さんに対して行われます。「カセットテープ・・・」と同じで、うっかり道も歩けない。白人なだけのアホな若者(たいがい群れている)たちは「国へ帰れ」「お前らのせいで仕事がなくなる」口を極めて罵った挙句に、複数人でボコボコにする。そこに黒人さん(多分アジア系でも同じ)がいたら、そこが映画館だろうと何だろうと、ガラスや扉を破壊して侵入し、標的をボコボコにする。違います。黒人さんたちを連れてきたのはほかならぬイギリス人です。知らんのですか?もちろんそうじゃない人もいるでしょうけれど。思うのですが、彼らに仕事を取られると思うのであれば、より一層、彼らより働けばいいのです。「さすが白人さんだね」と言われるほど働けば、雇う方もよく働くほうを雇うでしょう。黙って真面目に働いている人を殴って解決する問題ではないということが、なぜわからないのですか。

 大学を諦めて映画館スタッフとして働く黒人スティーブンは、母が看護婦として働くよう、白人さんに連れて来られた由縁で、イギリスで生まれました。父のことはよく知りません。おとなしく真面目な人ですが、目立つゆえよく被害にも遭います。そんな彼は、上司であるオリビア・コールマン演じるヒラリーと仲良くなります。年齢がかなり違うのですが、孤独が彼らを結び付け、お互いを応援し、やがて紆余曲折を経ながらも前向きにと生きる糧になってゆきます。もちろん、一筋縄では行かないのですが、若者(スティーブン)はヒラリーの勧めもあって大学へと進学します。

 みんな、いろんなバックグラウンドがあって、本当にしみじみ感じ入る大人の映画でした。トビー・ジョーンズ演じる頑固な映写技師も、息子とは疎遠なのですが、「自分が背を向け逃げたからだ」と言います。ヒラリーが「どうして逃げたの?」と聞くと「忘れてしまったよ」と笑います。なんか、すごくわかる気がしました。そんなものですよね、その時はすごい勢いで怒っていたはずなのに、後から何だったか思い出せないって、誰しも経験があると思います。そのまま引きずる人、表面だけ取り繕ってそのままの状態を保つ人(それはそれで一つの生き方だと思うが)、ちゃんと解決する人など。また、ヒラリーの話も・・・。何とも言えなかったですね。本当に人生いろいろ。

 それにしても、やっぱり日本と違って女性に対する年齢差別が少ないのか、ヒラリーがモテるんですね。かなりおばさんなのですが。この辺が日本では考えられないかなぁ、と思いました。そこ、見るところじゃないのかもしれませんが(笑)。すみません。

 

 

コメント
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