田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

ウインド・リバー(Wind River)

2018年10月22日 15時54分02秒 | 日記

「wind river poster」の画像検索結果

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 アメリカの辺境を舞台に現代社会が抱える問題や現実をあぶりだした「ボーダーライン」「最後の追跡」で、2年連続アカデミー賞にノミネートされた脚本家テイラー・シェリダンが、前2作に続いて辺境の地で起こる事件を描いた自らのオリジナル脚本をもとに初メガホンをとったクライムサスペンス。第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞。主演は「ハート・ロッカー」のジェレミー・レナーと、「アベンジャーズ」シリーズのエリザベス・オルセン。ネイティブアメリカンが追いやられたワイオミング州の雪深い土地、ウィンド・リバーで、女性の遺体が発見された。FBIの新人捜査官ジェーン・バナーが現地に派遣されるが、不安定な気候や慣れない雪山に捜査は難航。遺体の第一発見者である地元のベテランハンター、コリー・ランバートに協力を求め、共に事件の真相を追うが……。(映画.comより)

 

 

 

 

 

  評価の高かった映画が遅れて田舎に。よかった!ところで、映画を少し知っている人なら、「エリザベス・オルセンとジェレミー・レナー?」と思いますよね。アメリカのハリウッドには、機会を狙う俳優さんたちがいくらでもいるだろうに、やっぱりネームバリューをすでに確立した俳優さんを使いたい傾向が根強いんでしょうね。もっと言うと、このエリザベスと「キック・アス」のヲタク兄さんは、映画によって双子だったり夫婦だったり。それもどちらもメジャー大作だったりするから笑える。他の俳優使えよ、と思ったのは私だけではないはず(笑)。

 さて、それはさておき、映画はとてもシリアスなものでした。人は置かれた環境からは、よっぽどの勇気と機会がないと逃げられません。個人にそんな余裕も教養もなかった場合、他になすすべを知らないまま、落ちていくしかない人生を送る人もいます。自己責任だと言うなかれ。それは恵まれた人の発想なのです。

 過去に白人により、強制的に追いやられたネイティブ・アメリカン住居区。だだっ広い土地こそあれど、そこは不毛で豪雪地帯。学校すら見当たりません(どこかにあるんでしょうけれど)。こんな所から脱出したいと若い人はみんな思っているけれど、顔で「白人ではない」とわかってしまう若者が、お金もないのにどうやって人生を切り開くのか。

 主人公の一人、ジェレミー・レナーは地元のハンターで、かつてネイティブ・アメリカンの女性と結婚し子供もいましたが、わけあって離婚しています。今回遺体で見つかった女性は、娘の親友だった女性。都会から派遣されてきたFBIの女性(エリザベス・オルセン)のあまりの不慣れさに対する危惧も相まって、捜査に協力することに。そして、次々明らかになる真実。

 つらい映画でした。そして、ラストでは、公的な職業にいないジェレミーが自己判断でジャッジを下します。爽快な終わり方ではありません。つらく、後味がよくないことは確かなのですが、それもまた、仕方がないのです。

 どこの国にも、設定こそ違えど同じような話はあるでしょう。子供に対するいわれのない虐待など、世の中の不幸の根源は「貧困」と「無教養」だとも言います。せめて、世界中の子供たちが「自分の努力が足りなかったからかなぁ」と諦めがつくほどの環境が保証される世の中になればいいのになぁ、と思います。いや、そうなったらそうなったで、また不満を抱く奴が出てくるのかもしれませんが。

コメント
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