田舎に住んでる映画ヲタク

「映画大好き」の女性です。一人で見ることも多いけれど、たくさんの映画ファンと意見交換できればいいなぁと思っています。

あしたは最高のはじまり(Demain tout commence)

2017年11月27日 08時02分27秒 | 日記

「最強のふたり」のオマール・シーが主演を務め、自由気ままなプレイボーイがゲイの友人とともに子育てに奮闘する姿を描いたフランス製ヒューマンコメディ。全米で異例の大ヒットを記録したメキシコ映画「Instructions Not Included」をリメイクし、フランスで8週連続トップ10入りを果たした。南仏コートダジュールで独身生活を謳歌するサミュエルのもとに、かつて関係を持った女性クリスティンが訪ねてくる。クリスティンはサミュエルの娘だという赤ん坊グロリアを彼のもとに残し、姿を消してしまう。慌てたサミュエルはクリスティンを追ってロンドンへ飛ぶが、言葉すら通じない異国の地で彼女を見つけることはできず途方に暮れる。そんなサミュエルを救ったのは、地下鉄で出会ったゲイのベルニーだった。それから8年後、すっかり家族となった3人の前に、グロリアの母クリスティンが現われる。ベルニー役を「人生、ブラボー!」のアントワーヌ・ベルトラン、クリスティン役を「ハリー・ポッター」シリーズのクレマンス・ポエジーが演じる。(映画.comより)

 

 

 オマール・シーのこの明るい笑顔を見て下さい。これだけで「ハッピーな映画かな」って感じがしますよね。全国公開時期より少し遅れて田舎に降りてきたこの映画、見る機会があって本当によかったです。

冒頭はなにやら意味深な場面。黒人の少年が父に「崖から勇気を出して飛び降りること」をすすめられています。「男なら、そんな場面に直面することもある」「自分の勇気が本物かどうか」など、そう言う意味のことばがささやかれます。しかし、こんな年端のいかない少年には高すぎる崖。見ている私は「危ないんじゃないの」とか「いくらなんでもそんなこと」とか思いました。でもそれは、私が女だからかもしれません。男性なら違った感想を持つのかも。

そして場面は急に変わって陽気なサミュエル(オマール・シー)。金持ちの顧客のために、リゾート地でボートを出しています。何事に対してもどんぶり勘定で、「今日が楽しければいいや」みたいな彼は、上司の言うことを時々無視して、でも顧客からは評判がよかったり、どこか憎めない男です。そんな遊び人の彼の元に、元カノが赤ちゃんを抱いて訪ねて来ます。「あなたの子よ。覚えがあるでしょ?」・・・そんなお決まりの台詞を吐かれてもさっぱり覚えてない。だって、女なんて無数に抱いたし・・という顔のサミュエル。見るからに追い詰められていそうな彼女は、「お金を貸して。タクシー代払ってくるから」

タクシー代くらいなら、と一旦赤ちゃんを抱いてお金を渡したサミュエル。しかし、彼女はそのまま逃走するのです!赤ちゃんを残して。男にとって、こんな災難はありません。子育て経験がないなんてものじゃありません。超のつく遊び人だったのですから。

赤ちゃんを抱いて、フランスのリゾート地から彼女が住んでいるはずのロンドンへ。でも、彼女は勤めのカフェをやめていて、消息は追えません。途方に暮れたサミュエルが出会ったのが、陽気なゲイの映画プロデューサー、ベルニー。身体能力の高いサミュエルは、彼がプロデュースする映画でスタントマンとして働くことになりました。またベルニーが成功していて、豪華で広い家があるのです。ストレートだったサミュエルはどんな感じでベルニーと暮らしていたのか、その描写はありませんが、ともかく小さくて聡明なグロリアと男二人、何不自由なく仲良く暮らします。このへんはうまく行き過ぎな気がしないでもないですが、映画ですしオマール・シーですから、ここで苦労を綴っても仕方がないですよね(笑)。ところで、サミュエルは過酷なスタントをいつもやっているからか、定期的にお医者さんへ行って治療を受けているのですが、それも常にグロリアと一緒です。小さなグロリアもビタミン剤なんかうってもらってるみたいで、「パパが怖がりだから一緒に行ってあげるの」などと言ってます。

さて、そうこうしているうちに、この辺はお決まり(?)な感じでしょうか、何年かして母親が「引き取りたい」と言って現れるのです。身勝手ですよね、あんな小さな赤ん坊を捨てたくせに、そこそこの歳になったら迎えに来るなんて。それもちゃ~んと経済力のありそうなパートナーと共に。常に誰かに寄りかかって生きてるのね(わからないけど)。まぁ確かに、赤ん坊を置き去りにしたときは、しんどくて死にそうな顔をしてたけどね。女一人のしんどさって、わからんでもないけど。

子供は常に「ママに逢いたい」と思っていますから、ここで争われても不幸ですが、ずっと彼女の成長を見守ってきたベルニーと共に、サミュエルもグロリアを離したくありません。

と、このへんまではわりとありがちなお話なのですが、ここから先が怒濤の展開(?)です。ネタバレになるので、これ以上は書けませんが、私も意表を突かれました。それにしても・・・こんなこと言っちゃいけないんでしょうけれど、ママもここまで争わなくても、グロリアはいい子に育っているし、自分もいいパートナーを新たに得ているんだから、その人との間にもう一人産んだらいいのに、と少し思いました。そういう問題じゃないんだろうけれど。なにかわけがあるのかもしれないですしね。

ともかく、ラスト3分の1くらいは、ちょっとしんどいので、元気なときに見て下さい。

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