大晦日にブログを書いています。
大晦日に歯の具合が悪くなる人がけっこういます。
一年の疲れが大晦日に出るイメージです。
ですので、元旦の休日診療当番の歯科医院にはたくさんの患者さんが来るものです。
実際、大晦日の本日はだらっとしていたいと体が訴えている感じがします。
なぜ疲れが出ると不調、歯の場合は歯や歯ぐきの炎症ですが、が出るのでしょうか。
それをアドレナリンとコルチゾールで説明します。
両者とも副腎から出るホルモンです。アドレナリンは副腎髄質ホルモン、コルチゾールは副腎皮質ホルモンです。
アドレナリンはよく聞く名だと思いますが、頑張っているときに分泌されるホルモンです。
コルチゾールはステロイドホルモンの一種です。ステロイドという名は有名でしょう。
そして、この両者は体の中でつくる強力な炎症を抑える物質です。
人は薬に頼らずとも、強い炎症を抑える「薬」を自分でつくり出すことができるのです。
人が疲れていたり、多少体調が悪くても頑張れるのはこのようなホルモンの働きによるところが大きいです(ほかにもこのようなホルモンはあります)。
そして、頑張る時期が終わると、気が張らなくなりこれらのホルモンが出なくなります。つまり炎症を抑える物質が減ります。
そこで、抑えられていた炎症が惹起されて体に不具合が生じるのです。
口の中でいえば、歯が痛い、歯がしみる、歯ぐきが腫れる、噛むと痛い、顎が痛い、などです。
紅白歌合戦を観ていたら歯が痛くなった、なんていう話をよく聞きます。
こういった症状が起きるのは、その部位が日頃から炎症を抱えているということです。そして、その炎症が軽いか体が抑え込むことができているので、普段は症状が起きないのです。こういう状態を「慢性炎症」といいます。
慢性炎症は体力が落ちてしまった時に急性炎症に移行して、不具合な症状を起こします。
ですから、大晦日に悪くなったと思われる歯や歯ぐきにはもともと悪い部分があったのです。
本当に悪い部分は治療をする必要がありますが、少し悪い部分は自ら悪くならないように予防していく必要があります。
まずは体調管理が一番大切ですが、歯科的に必要なのは歯磨きと食事です。
忙しかったりストレスが溜まる生活をしているとそのどちらともがおろそかになりがちです。
規則正しい食生活と食事内容、そして適切な歯磨き。
歯を守るために大切なことです。
小幡歯科医院