「江戸前」といえば、古くは東京湾の奥、品川から深川あたりの沖を指した。
新しく買った日本大地図で見てみると驚くほど狭いが、江戸っ子はこの海で
とれた魚介類をありがたかったという。 物流も保存技術も今とは比較に
ならない時代。 少しでも新鮮な魚を食べたいとの思いもあったのだろう?
それゆえ産地を偽る不正も横行していたようだ。 こんな川柳が残っている。
「旅鰻化粧につける江戸の水」。 旅鰻とはよそでとれたウナギのこと。
江戸前より味が落ちるとされ、売値は安かったそうだ。 とはいえ同じ魚
である。 「江戸産を名乗ってもばれないのでは‥‥」。 悪知恵を働か
せた人がいたとしても、不思議ではない。
「熊本産」アサリの産地偽装疑惑もその延長にあるのかもしれないが、驚く
べきはその規模である。 農林水産省が調べたところ、県内の年間漁獲量
20㌧余に対し、100倍以上が流通していたという。 大半が中国など
からの輸入品とみられている。 ついうっかり、ではないだろう。
さぞ大量の化粧水が使われたのではなかろうかと思われる。
気になることがある。 背景として、アサリの漁獲減が指摘されていること
だ。 全国的な傾向だと聞く。 乱獲や環境の変化が言われるが、理由は
はっきりしないそうだ。 江戸の川柳をもう一句。 「初がつお初がつ
おとてまだ食わず」。 売り声を聞けども高価すぎて口にできない初ガツ
オのようにならないか‥‥。 それが心配でならない。
新しく買った日本大地図で見てみると驚くほど狭いが、江戸っ子はこの海で
とれた魚介類をありがたかったという。 物流も保存技術も今とは比較に
ならない時代。 少しでも新鮮な魚を食べたいとの思いもあったのだろう?
それゆえ産地を偽る不正も横行していたようだ。 こんな川柳が残っている。
「旅鰻化粧につける江戸の水」。 旅鰻とはよそでとれたウナギのこと。
江戸前より味が落ちるとされ、売値は安かったそうだ。 とはいえ同じ魚
である。 「江戸産を名乗ってもばれないのでは‥‥」。 悪知恵を働か
せた人がいたとしても、不思議ではない。
「熊本産」アサリの産地偽装疑惑もその延長にあるのかもしれないが、驚く
べきはその規模である。 農林水産省が調べたところ、県内の年間漁獲量
20㌧余に対し、100倍以上が流通していたという。 大半が中国など
からの輸入品とみられている。 ついうっかり、ではないだろう。
さぞ大量の化粧水が使われたのではなかろうかと思われる。
気になることがある。 背景として、アサリの漁獲減が指摘されていること
だ。 全国的な傾向だと聞く。 乱獲や環境の変化が言われるが、理由は
はっきりしないそうだ。 江戸の川柳をもう一句。 「初がつお初がつ
おとてまだ食わず」。 売り声を聞けども高価すぎて口にできない初ガツ
オのようにならないか‥‥。 それが心配でならない。