農業じゆう人

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未利用魚

2022年02月06日 12時41分29秒 | 話題
  サケやヒラメなど大衆魚の不漁が続く中、身近にありながら長く消費されていなかった
  「未利用魚」が注目されているそうだ。
  鮮度が落ちやすかったり、下処理が難しかったりなど扱いづらい魚だったが、一手間
   かければおいしく食べられる。 近隣諸国との競争で大衆魚の漁獲量が減少し、原油
   高など漁獲コストも高まる中で見直されているそうです。

  フランス料理店シンシアブルー(東京・渋谷)は2020年の開店時からオーダービュッ
   フェ形式の一部料理で、未利用魚を扱う。 神奈川の漁港から直送されるウツボな 
   どだそうです。 ウツボは骨の入り方が独特で扱いづらく、水揚げ後に廃棄される
   ことが多いんだそうだ。
  入荷される魚は地元漁港で「神経締め」と呼ぶ特殊な処理が施され、高い鮮度が維持
   できる。 ウツボはあぶりや揚げ物にして提供される。 需要がほとんどなく、市
   場の卸値は同店で一般的に使われる銀ダラの半値以下だという。 下ろす際に骨を
   外すなど独特の下処理に手間がかかるが、「そこは料理人の腕の見せどころ」だと
   ”吉原シェフ”。 物珍しさなどから来店する客が多いそうだ。
  「知らない魚に出会え、子どもたちも毎月楽しみにしている」。 埼玉県に住む30
   代の男性会社員がこう話すのは、ベンナーズ(福岡市、井口社長)が手掛ける未利用魚
   の通販サービス「フィシュル」。 ヒレに毒があり、臭みが出やすいアイゴや、色
   味が消費者に好まれないイラなどを調理し冷凍パックで送る。 6パックで420
   0円。 井口社長は「未利用魚をおいしく提供して楽しんでもらいながら、理解し
   てもらう」と話している。  国連食糧農業機関(FAO)が公表した20年の世界
   漁業・養殖業白書では、世界のほとんどの地域で漁獲の30~35%は損失や廃棄
   になるとされる。 東京海洋大学の“婁(ろう)教授”は「かつて地元で消費されてい
   た未利用魚だが、大手小売りの進出で地元の鮮魚店など地域流通が崩壊して行き場
   を失った側面もあると指摘。 日本で流通する未利用魚は近海でとれるものが多く
   原油高下で漁獲コストは比較的低廉だ。
  鮮度が落ちやすい未利用魚を素早く届けようと工夫する動きもある。 羽田市場(東
    京・大田)
では新型コロナウイルス禍で乗客が減少した高速バスや特急電車や新幹線
   を使い、産地から東京都内に運ぶ。 「鮮度の高さと魚の価値は比例する。 未利
   用魚を身近に感じてもらえれば、生産者の収入も増える」と“野本社長”は言う。
 同社の銀座直売店では、未利用魚を海鮮丼な
 どで提供。昨年12月中旬には神奈川県の小
 田原港から届いたハガツオ、ムロアジなどが
 提供されたそうだ。常連客だという50代の
 会社員は「予想以上においしい。また食べた
 い」と話す。毎日、産地も魚も異なる。同社
 はコロナ禍で未利用魚の冷凍通販も手がける
 ようになったという。 地域の食文化の違い
 を生かし、未利用魚を活用する動きもある。
 オーシャン(北海道旭川市)が運営する「北海道
 炉端 えぞ羅」。 (東京・千代田)では北海道羅
 臼町産のエゾメバル(ガヤ)を1匹使う煮魚料
 理を提供する。地元ではサケなどの大型魚が
 重宝され、300㌘前後のガヤは評価されに
   くいが、関東圏では食文化が根付く。 「場所次第では活用の道が広がる」(向井店長)
  横浜市中央卸売市場の水産卸・横浜丸魚では約5年前から、学校給食や市場内外のイ
   ベントで未利用魚を提供してきた。 今後は富士シテイオ(横浜市)が展開するスー
   パー「フジ」での販売も視野に入れているという。

  未利用魚への関心が高まっているとはいえ、「ビジネスとして成立させるにはまだ難
   しい」(婁教授)。 漁業者などの支援を手がけるUMITOパートナーズ(東京・渋
    谷
)の社長は「注目されてこなかっただけにデータがない。 まずは漁獲情報を把
   握できる仕組みをつくるべきだ」という。 過去には東京湾のホンビノス貝の資源
   が減った事例もあり、本格利用には資源管理の仕組みは不可欠だ。
  横浜丸魚の“源波取締役”は「時間をかけ消費者に浸透させ、利用魚にする根気強さが
   大切だ」と話す。漁獲資源という長期的な視点に思いをはせつつ、よく知った魚以
   外の味わいに挑戦する人が増えれば、食文化がさらに豊かになるかもしれない。
   機会があるならば一度は食べてみたいです。(なにせ物好きなものですから‥?)