若い頃は「エイ・エイ・ヤー」的な音楽が好きでした。ベートーベン、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、ドボルザーク、ベルリオーズ等の交響曲を中心に楽しんでいた頃が懐かしいです。今でもこれらの作曲家は好きですが、新しい指揮者や演奏家が出てきても「同じ曲」の繰り返しばかりでちょっと気分的にはマンネリです。
その頃は、バロック音楽や室内楽が「地味」に思えて、ADを買って来ても1回聴くと眠ってしまうのが常でした。今思えば「良く鳴らなかった」と言う事が本音のようです。
現在では「バイオリン」をはじめとする「弦楽器群」が素晴らしく良い音色と音数の多さで鳴ってくれます。チェンバロの音色と質感も申し分ない状態でなってくれますので「室内楽」がとても豊かになってくれます。「本当の音楽は室内楽にある」とは音楽通の先人たちの言葉です。この言葉をしみじみと感じます。
上の写真のC・F・E・バッハの「ビオラ・ダ・ガンバのためのソナタ集」では楽器の音色の豊かさと音場の豊かさを感じる事ができ、ゆったりとした気分で音楽が楽しめます。
モーツァルトの「バイオリンソナタ」も録音がチョッと細身なのは気になりますが、奥行きの表現も音色の美しさも堪能できます。聴いていると時間を忘れて聴き惚れてしまいます。ピアノやバイオリンの音色が「揺らぎ」ます。
私のSP-707Jは基本的にJBLのユニットで構成されたSPです。でもこのサウンドは皆さんが知っている「JBL」サウンドではありません。タンノイに近いサウンドだと思いますが、音のキレが全く異次元のクラスだと思います。私がJBLのユニットに固執するのは「音変換機」としてJBLのSPユニットが優れているからです。
その上に「伝送ロスの極小化」でSPユニットやCDP・アンプの持つ「潜在能力」が如何なく発揮されているからだと思います。このサウンドは実際に聴いてみないと絶対に理解不能だと思っています。何度も「満足」を通り越して追求し続けた「音質」です。