アンプメーカーは「回路開発」にしのぎを削っている。「回路」も大事だが、製造業には4つのMが要素としてある。「電気回路」はメソードでしかない。他にも材料(マテリアル)・機械(マシン)・マン(人)の要素がある。
材料については「大容量伝送」と「低抵抗」の材料を考慮して欲しい。CDの中の情報をすべて取り出すためには上述内容が必要だ。材料の吟味(特に配線関係・プリント基板も入る)を十分にして欲しい。
また、使われている電子パーツ類は一般の「汎用性」パーツを使っている。ゼネラルオーディオなら仕方ないが、ハイエンドクラスの電子部品も一般的な「汎用」パーツを使用してある。価格的に言えば、1台のアンプで¥10万円を超えることはない価格だ。これが、シャーシを付け、端子・ソケットを付けると¥数百万円になっている。私が言いたいのは「適正価格」というものの考え方が出来ていないという事だ。確かに数量が少ないので受注生産や数量限定生産になり易いので多少の価格アップは理解出来るが、「過ぎる」価格は普及力やファンを無くす。
パーツメーカーについては、「オーディオ専用パーツ」を生産して欲しい。どこのアンプやソース機器でも「一般の汎用電子部品」しか使っていない。需要が少ないので作るのが(ラインを作る経費が億単位になる)大変なのは分かっているが、一般家電とハイエンドのパーツは別なグレードとなるべき。例えばカーボン抵抗器のリード線は精々φ0.5㎜程しかない。これをφ10㎜以上にして欲しい。こう云った内容はアンプメーカーの要望でなければ実現しないだろう。他にも1本数十円の「ガラス管ヒューズ」を平気で数百万円のアンプに使っている無神経さ。どこに良識を感じられるのかな?
現在電子部品は「極小化」が激しい。スマホや携帯電話に使われる物に需要が大きいのでそちらが中心になっているのは理解で出来るが、「極小化」の弊害(寿命が短い)には罪悪感を感じてほしい。自分もTr部品の製造に携わって来た。トレンドとして「ミニ化」(小型化)がその会社のハイテクラインである。QA検査をするとどうしても一般サイズのものに劣る部分が出てくる。オーディオの場合は逆に「ビッグ」な方が「音質」が良くなる傾向になる。需要は少ないかも知れないが「ビッグ部品」も一つのバリエーションではないか?