前回オリンパスマルチアンプシステムを「管球アンプ」で実験して以来、管球アンプの質感が忘れられません。
前回手持ちの管球アンプでトライしましたが、その時は低域にVT‐62ppモノ×2台(10W)と中域に6L6シングルアンプ(2W)+高域KT66シングルアンプ(4W)でトライしましたが、低域のドライブ力不足で今一でした。
今回は6L6Gpp(20W)のアンプを用意してTrail仕様化を準備してきました。前回ステンレスシャーシに手を焼いていたものです。ようやくTrail仕様化(XLRバランス化)が完了し、音出し確認をしています。回路がシンプルなのでノイズの発生もなくスムースに運びました。しばらくこのままで安定して動作をする事を確認してから次に進みたいと予定しています。
本日また新たな「管球アンプ」が来ます。KT88シングルアンプです。こちらもTrail仕様化を予定しています。このKT88シングルを中域のドライブ用に考えています。来ましたらまた写真でご紹介します。
先日ATCのSPを持つ方の所に行って来ました。部屋は8畳ほどでウーハーが22cmですのでちょうど良いと思いました。大きさ的にはブックシェルフSPの範疇のSPです。
ドライブされているのはCDP~パワーアンプまでアキュフェーズで統一されていました。CDPの型番は確認を忘れましたが、プリはC2410、パワーはA45です。
このラインで出てくるサウンドの質感はなかなかのものでした。まずSPの音色は艶が有って中域が充実しています。低音も奥行きのあるもので質感も良さそうでした。高域も英国のSPの特徴のつややかでしたが伸びがもう少しと云うところでした。
まだオーディオを始められて5年ほどとの事ですので、「鳴らしのテクニック」をお持ちではないようで、SPのセッティングが私から見れば「おざなり」のようでした。この辺がうまく調整できればかなりいい質感でスケール感のあるサウンドになると思いました。
ATCのSPの特徴は「中域の厚みと音色」に有るようでなかなか魅力的でした。英国のSPで3ウェイは少ないのではないでしょうか。物量を投入されているだけの潜在能力は感じました。予算に余裕が有れば使ってみたいSPです。
現在英国のSPはタンノイⅢLZ自作箱、スペンドールBC‐Ⅱ、ハーベス モニターHL MK3を使っていますが、ATCもどこか似たような音色がしますが、音の厚みが組み合わせるアンプの性か一段と厚かったように思います。
JBLやアルテックの様に「スカッ」と抜けるようなサウンドとは違います。どちらかと云えばJAZZならピアノトリオを水割りでも飲みながら聴きたいサウンドで、クラシックには非常に相性が良さそうでした。
オリンパスシステムを管球アンプでドライブするように準備をしていますがまだ先の先になりそうです。思うようなアンプがまだ作れていません。
前回管球アンプから元のアキュのアンプに戻してから「今一」音の充実感が足りないように感じて、あまり聴く気が起こりませんでしたが、今日は午後からじっくりとクラシック音楽を楽しもうとしましたら、バイオリンが右側のSPから出るでは有りませんか?うううう・・・・。
接続を調べましたらXLRケーブルの接続は間違っていません。次にCDを使って(聴きながら)低音・中音・高音と調べて行きましたら、「中音」のみが左右反対にSPケーブルを繋いでいました。
マルチアンプにしていますので配線の数が多くて時々間違えてしまいます。中音が左右逆になっていただけで「聴きたくない」症状が出ます。ようやくまともに結線ができましたので今度は本格的に聴く事が出来そうです。(この前の管球アンプの時も中音は左右逆だった可能性が高い・・・)
ハーベス モニターHL MK3は先月18日頃購入して、Trail仕様化して楽しんでいましたが、サランネットが無い為にユニットむき出しで、ちょっと品がない状態でした。
サランネット布材等の部品が揃いましたので、愛知県のリンホフ工房さんでサランネットを作っていただきました。ここは仕事が早くて丁寧で良い物を作っていただきました。感謝に堪えません。
やはりコーン型やドーム型のSPユニットがむき出しは取扱いにヒヤヒヤします。ネットが付きましたのでデザインもすっきりして上品なSPらしくなりました。ウラジミール・シャフラフノフを楽しんでいます。
Trail仕様化していますので何の屈託もなくスーッと音が出てきます。音数は隣のオリンパスと遜色有りません。ただ「質感」はホーン型SPには及びませんが、家庭でメインで使えるグレードです。
写真に写っているマランツ型ラインプリアンプ(12AU7×2)とラックスKMQ8をそれぞれTrail仕様化して使っていますので、オリンパスの音色よりこちらの音色や質感の方がグレードが上になります。この為オリンパスシステムを聴く回数が減っているばかりか、オリンパス用のパワーアンプを管球アンプ化に走らせているのです。
6L6G(KT66)のアンプが現在4セット有ります。オリンパスのマルチ用に準備したものですが、一通り数が揃った所です。
ここ数日図面作成ばかりしていましたので疲れています。今日は気分的に気持ちが乗りませんので「アンプの試聴会」を致しました。
まず、トップバッターはKT66シングル(ウェルカム製)Trail仕様アンプです。
真空管は GEC KT66 に、整流管もソブテック(ロシア)を松下 5AR4に変更しています。
非常に元気が良くて音が前に飛び出してきます。シングルアンプ(8W)とは思えないドライブ力です。パワー管を差し替えたばかりですのでまだ十分にソケットと端子が馴染んでいないようです。ブリリアントなサウンドが出てきます。
Trail仕様のアンプですので当然RCAとXLRとIECインレットが使えます。当然ノイズレベルはTR型アンプと遜色ないかそれを上回ります。
次が6L6Gシングルアンプです。もちろんTrail仕様です。特にこのアンプはノイズがまったく聴こえません。出力はおそらく2Wくらいしかないと思いますが「音質」は「白眉」です。自宅で使えるレベルです。3B252Bアンプと同じ前段管を使っているからとしか言えないような「質感」です。左写真の金色の球です。これを聴いてしまうと他のはガラクタのように聴こえます。「音楽」としか言いようのないサウンドです。音の深みが有り、コクが有り、キレ・ヌケとワイドレンジで音の粒子も細かく、聴き始めたら「動きたくなくなる」サウンドです。これでもう少し出力が取れれば文句なしです。
次は、 これが最近Trail仕様化したアンプです。当初低域用のアンプに考えていましたが、XLR化が現状では困難なためRCA仕様で確認しました。シャーシーはステンレスですのでしっかりしていて、タムラのトランスとも相まって非常に綺麗です。
これも非常にグレードの高い質感ですが、前のHL4を使ったアンプの音を聴くと表現力がストレート過ぎます。もっともこちらもパワー管と前段・次段管・整流管も良い物に交換したばかりです。特にパワー管はCV1947のクワッドですので豪華です。音質も申し分ない質感を感じさせます。
今回この3台を聴き比べましたが、パワーは抑えてでもHL4の初段管を使うのが良いと結論に達しました。ウェルカム製のKT66アンプは回路もシンプルですので改造するのはそう難しく有りません。ソケットとCR類を準備して行こうと考えています。
やはり、左の自宅アンプはグレードが違いすぎます。どう説明すればお判りいただけるでしょうか。「聴き始めたら動けない」とでも云いましょうか、SWを切るのに「決心」がいります。
このアンプに近づけたサウンドを他のアンプにも求めてしまいます。このアンプの複製を作ろうかと真剣に考えています。でも出力が2Wくらい(実際は10Wクラス有るのでは?)なので、実際にオリンパスシステムをネットワーク化して使ってみないとなんとも云えません。
先日来、オリンパスシステムの管球アンプ化を取り組んでいますが、「チョッと一休み」です。なかなか思うようなアンプが出来ません。
今回はタムラのトランスを使った6L6pp(3結)ステレオ15W×2アンプのTrail仕様化を進めていましたが、シャーシがステンレスの為、硬くてXLRソケットを付けきれませんでした。やむなく自宅のサブシステムスペンドールBC‐Ⅱ Trail仕様 SPシステム用にする事にしました。
とにかく「執念で作り上げたアンプ」(3B252B)のサウンドが凄過ぎて、サトリのミニアンプでは質感の差が大きすぎて聴く気さえ起きないのが現状です。サトリのミニアンプはRCAプラグ仕様ですのですぐに接続できます。
今度の6L6pp(3結)ステレオアンプはメインアンプとしても使えますが、前オーナーさんがインプットセレクター(入力3)、バランス、ステレオボリュームを付けていてくれましたので、機能的には「プリメイン」の使い方ができます。CDPを直接つないで音出し確認をしていますが、球の力でしょうか、何ら違和感なしに使えてしまいます。
球は日立の整流管(5U4GB)×1、6L6(ソブテックロシア)×4、12BH7×2、12AU7×1が付いていましたが、整流管は松下5AR4、6L6はSTC CV1947×4に変更しました。
たったこれだけの球交換で「品位」が違います。バタ臭く周波数レンジの狭いサウンドが、透明感を伴った品位の高い質感ととワイドレンジ感になりました。これくらい有れば自宅のサブで使うには申し分ないと思います。(チョッともったいない球の使い方かな?)
オリンパスシステムの中・高域を管球アンプにしたのは良いけれど、低域の質感と合いません。低域が「バタ臭く」感じられて「違和感」が強く、結局元のA20Vに戻しました。
管球アンプにしますと確かに質感のグレードが1桁上に上がりますが、低域のLE15Aを軽々とドライブ出来るアンプを必要とします。
その後よくよく考えて見ましたが、ウーハーを別の高能率型ユニットに交換するのが今後の方向性も含めて良いのではないかと思いました。
自宅の707Jシステムとオリンパスシステムで使っているユニットは基本的に同じユニットです。同じように「手」を入れています。自宅はネットワーク方式でマルチアンプのオリンパスを質感で圧倒しています。
オリンパスシステムもそろそろネットワーク方式に変更しても良いのではないかと思うようになりました。そうしますと管球アンプは1台で済みます。質の良いアンプを作り上げる事に専念できますので、「急がば回れ」かな?と思います。
昨日入荷したSP-LE8Tを朝から聴き続けています。一般的には良く鳴っています。しかし私の望む質感では有りません。「バタ臭い」と云いましょうか、音の粒子にキレや音数が不足します。
早速午後から「ルシファー化」を致しました。5時ちょっと前に完了し、これから鳴らしこみです。SPは電気的信号を物理的運動に変換してくれるところです。この動作の感触は自動車のエンジンの「吹け上がり」と似たような意味合いを持ちます。
どんなに高性能の自動車も低速走行で乗り続けていれば、乗り手が変わってアクセル全開にしても本来の性能はすぐには発揮できません。徐々に馴染ませながら「高回転域」でも安心して回せるように調整していきます。
SPも同じ事で、ただ毎日可愛がって鳴らしてやるだけでだんだん良くなって行きます。「ルシファー化」でサーキットマシン並みのポテンシャルを獲得していますので何処まで良くなるかはお楽しみです。
SPの外見はまったく変わりませんので写真は有りません。
スピーカースタンド「サウンドトレール」はスペーサーとトレールの組み合わせで初めて「音質と安全性」を確保します。
昨夜、オーディオベーシック誌にサウンドトレールを使ったお客様が紹介されましたが、写真を見る限り「スペーサー」を使わず、SP本体がトレールの上に載っています。この状態では「音が死んでいます」。スペーサーをSPのコーナー部に敷いてやれば響きがナチュラルになり「活き活きしたサウンド」になります。
トレールからキャスターを取り去って使うような設計はしていませんので販売もお断りしています。原理を無視した使い方はお勧めしません。
オーディオをはじめられて5年くらいの方が「ケーブルによる音の違いが判る」と自慢げにお話でした。ようは「だから私はオーディオマニアです。」と認めて欲しかったのかも知れません。
私の回答は「音の違いは小学生の子供さえ判る。自分の欲しい音がどうしたら出せるのか?」が問題です。第一自分が欲しい音が本当に判っているのか?と言うことです。この趣味の持つ深みが理解されていない方が多いように思います。その為には「沢山のシステムの音」を客観的に、主観的に聴くことが求められます。
私は常々言っていますが、この趣味をはじめてから、毎日聴いて20年未満の方は「初心者」、30年聴いて「中堅」、30年越えて初めて「一人前になれる可能性がある」と。自分の経験でそう考えています。
20代や30代の若い評論家が色々記事を書いていますが、正直言って「判っていない」としか言いようが有りません。どれくらいの機器の使いこなしを経験しているのでしょう?WEのサウンドや今までにど級クラスのSPやアンプが多々排出されています。中には世評で名機と言われるものも沢山あります。それらが本当の実力を出している所を聴いたことがあるのでしょうか?
20代や30代の評論家は私から云えば所詮「初心者」です。40代の方でも50代の方でも「初心者」が多いです。どんなシステムでも「それなり」に音を出してきます。その環境も様々です。それらを客観的に捉えて的確なアドバイスや使いこなしのテクニックをマスターするにはそれなりの理論と実際の経験が要ります。
現在のオーディオショップでは90%以上のところが「音の良し悪し」が判らないで「販売」に専念しています。高価格の商品を売れば「営業成績」が上がるからです。
私は「判る方」の為だけに商品を供給しようと考えて起業しました。企業としては非常に辛い「営業方針」です。それでもやはり自分と同じサウンドを求めている方がいるおかげでもう4年にもなりました。毎月薄氷を踏む思いをしながらも「自分の求めるサウンド」を追求しています。
そのおかげでほとんどの機器が「オリジナル」になりつつ有ります。商業ベースの商品は「音の良し悪し」と違う方向に流れていく物だと思います。この辺の「音の違い」が判るようになるためにはやはり30年以上の体験と思考が必要です。