岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

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 政治や暮らしをつくっていきたい。

2月7日 埼玉県に「生活保護受給者チャレンジ支援事業」視察。大きな実績をあげています

2014-02-07 | おにき日記





 朝一番、〈ひか☆りんく〉でお話をした後、市民ネット会派視察で埼玉県へ発ちました。視察項目は2つ。どちらとも、「よくぞいらっしゃいました」とばかりに迎えてくださいました。感謝です。

 今日は、埼玉県の「生活保護受給者チャレンジ支援事業(アスポート)」です。埼玉県が実施主体となり、生活保護受給者へ、教育•就労•住宅の3分野からトータルに自立を支援する仕組みです(私は国際協力活動をはじめた頃から、他者が「自立」って言葉を使うのはどうもそぐわない感じがしていますが、なかなか他の言葉が浮かびません)。
 全県が対象で、3つそれぞれの事業を民間団体に委託をし、待ちではなく、行政サイドから手を伸ばすきめ細かなアプローチを行っていらっしゃいます。

 〈教育〉。埼玉県内の高校進学率は98%ですが、生活保護世帯のこどもは86%とかなり低かったということ。この傾向は岡山市も同じです。進学だけが人生の選択肢ではありませんが、高卒資格がないと選択肢の幅が少なくなるのも現実です。貧困の連鎖をなんとか切りたいと、県内全域で、教員OBなどの支援員と大学生ボランティアが、特別養護老人ホームで、マンツーマンで学習指導。なんと、事業に取り組んだ翌年には進学率は10%アップ。大学生ボランティアは、どんどん増えて、今は45大学450人。単位習得ができる仕組みです。
 学習教室は現在31ヶ所。特別養護老人ホームでは高齢者との出会いもあり、高校卒業後、現在、9人の子どもがホームに就職したということ。また、子どもの頑張りにお母さんが触発されて、職業訓練を始めたという例もあるそうです(^^)。

 〈就労〉。リーマンショック以降、働くことができる若い世代が大幅に増加。でも、資格や経験がなくて、就職が厳しいのが現状。ということで、委託団体の支援員が、職業訓練受講から再就職まで一環して支援。就労体験先は現在60ヶ所まで拡充。引越、警備、運送会社、とくに前2者が多く、就労体験に行ったはずなのにそのまま就職という例も多いそうです。引越会社に勤務するためには、ホークリフト資格が必要ということで、そのための職業訓練をするそうです。2012年実績では、離職対象者2800人中701人が就職したということです。

 〈住宅〉。ホームレスの人や無料低額宿泊入所者へ、社会福祉士資格をもつ支援員が、一人ひとりの状況に応じて、民間アパート等への転居から安定した生活確保までを一貫して支援。障害者手帳取得や年金受給手続きの支援、不動産業者との交渉、債務相談、病院受信の付添い、定期的な家庭訪問などのフォローを行ないます。2012年度には773人が民間アパート等に。 

 なんとも、その実績が数字をみても明確にあらわれているので、スゴイ。やればできるのですよね。3つそれぞれの事業を民間委託。総額10億円ということです。市民が持つ専門性を生かすのはこれから望まれることですし、長い目でみたら、税金の有効な使い方ともいえます(生活保護費が減っていくわけですから)。

 岡山市でも、相談事業・就労支援事業・学習支援事業がスタートしますが、参考になることは多いです。写真中央の渋谷・社会福祉課長のアツい想いと語り口にエネルギーをたくさんいただきました。行政経験をフルに生かして事業を組み立てておられます。この事業は本にも。『生活保護200万人の処方箋~埼玉県の挑戦~』(ぎょうせい)を読んでみなくては。

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 明朝は雪だよ~との天気予報で、冷え込む夜。夕ご飯によったお店で、思いがけずに「すいとん」が出てきました。嬉しい心配りですね。一期一会で、ありがとうございます(^^)。お出汁が美味しかったです。



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