岡山市議会議員/おにきのぞみの虹色通信

〈いのち・みどり・平和〉を大切にする
 政治や暮らしをつくっていきたい。

11月1日 グリーンコープおかやまの「from ネグロス・セミナー」に参加しました

2018-11-01 | おにき日記


 グリーンコープ(GC)おかやまの「from ネグロス・セミナー」に参加をし、フィリピン・ネグロス島から来られた、ノルマさん(ATPF代表)の話を皆さんと聞きました。GCは、「共に」という視点で、ネグロスからの民衆交易バナナと黒砂糖を扱ってくださっています。
 ノルマさんの話の柱は、「自分たちの食べるものを自分たちで」ということだと思いました。これは日本の私たちにも共通するテーマで、ネグロスでも日本でも一緒につくっていきたいと共感しながらの参加でした。
 GC岡山の理事長さんと3人でパチリ。美味しい、バナナやチョコをいただきながら、ノルマさんの笑顔のなかで交流もできました。GCの皆さまには、素敵な企画をありがとうございました。ご一緒できて、嬉しかったです。



 「自分たちの食べるものを自分たちで」
 これは、ネグロス島が、自分たちが食べない輸出向けサトウキビばかりを生産する、モノカルチャーの島だったので「飢餓」が起きた。多くの子どもたちが生命を落とした反省のもと、30年前からあるテーマでもあります。
 ノルマさんは、現在、当時の「飢餓」の状況から脱し、民衆交易に携わる人たちの暮らしぶりは変わってきてはいるが、島全体をみると大地主制・単一栽培の仕組みは変わっていない。政府の方針で食べものの65%が輸入となり、ネグロスでは、サトウキビだけでなく、多国籍企業による輸出向けのパイナップル、バナナ、ゴムの生産も行われている。
 暮らしのなかでは、添加物や遺伝子組み換えの食品が多くなり、今は、安全な食べものを得ることができないという、新たな「飢え」の状況に直面しているという危機感を持っておられます。

 バナナと黒砂糖の民衆交易は、ネグロス側ではATCという会社が行っていました。でも、ノルマさんがお話になった危機感のなかで、2年前に、ATCは、ATFI(こちらはATCを引き継いだ会社)と名前を変え、それに加えて、ノルマさんが代表をするATPF(生産者のエンパワーを進めるNGO)が新たに設立されたのだそうです。
 ATPFは、日本サイドでは、「食料主権のためのオルタートレード・フィリピン財団」と呼んでいます。黒砂糖とバナナの生産者は小規模生産者です。その生産者が貧困から抜け出し、「尊厳をもって生きる」ために、皆さんのエンパワーを進めていこうというNGOになります。
 「尊厳をもって生きる」とは、「安全な食べもの=添加物や遺伝子組み換え等でない、リアル(本物の)食べものを、自分たちで育て収穫をする。それを子どもたちに手渡し、未来にわたって健康的な暮らしをつくっていく」ことだときっぱり。
 ATPFは、①リアルな食べものの大切さを伝え、②持続可能な農業技術の向上をすすめ、そのためには、③自分たちで決めて、自分たちで作っていくグループ・地域をつくることが大切。メンバーそれぞれが持っているものをさらにエンパワーしてこうということです。④また、サトウキビ生産には投資も必要なので、資金貸付事業も行っています。
 
 実は、ATCの時代でも、生産者のエンパワメントへの取り組みは、トライされてきています。また、ネグロス岡山がずっと支援をしている、カネシゲ農場や農業学校も同じ方向での取り組みで、連携されています。30年かかって具体像が幾つかの点となって見え出したものを、面として生産者全体に広げていこうということかなと、私は勝手に思っています。
 今回のGCのネグロス募金は、このATPFの活動のために行われます。私たちネグロス岡山のクリスマス募金も同様の趣旨になろうかと思います。

 日本の私たちに置き換えてみるとわかりますが、「自分たちの食べるものを自分たちで」というのは、なかなかできることではありません。TPPや種子法の改正など、危機感をもっていることはてんこ盛りです。「自分たちで決める力」をエンパワーする必要もあります。
 お互いに知恵と力を寄せ合って、実現をしていきたいですね。貿易ではなく、交易。人と人とが関わることによって、いっしょに作っていく「民衆交易」。これからも続いていくのでした。


◎ グリーンコープHP 「ネグロス関連の団体などの紹介」
http://www.greencoop.or.jp/syohin/negrosshokai.html


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