即席の足跡《CURIO DAYS》

毎日の不思議に思ったことを感じるままに。キーワードは、知的?好奇心、生活者発想。観る将棋ファン。線路内人立ち入り研究。

あきれたコンペ《ビジネスモラルの変質》

2012年06月23日 00時34分10秒 | 仕事
まだ先日の名人戦のことは この人と同じようにまるでぬけがら状態なので、今日は仕事の話。

先日仕事仲間から頼まれて、某クライアントの企画コンペに参加しました。
販促プランの5社競合。

こういうビジネス環境になってからというもの、少額予算案件であってもどんどん入札やコンペを実施するクライアントが増えており、1つのコンペの参加社数もうなぎのぼり。
広告代理店や企画制作会社、印刷会社などはほんと大変。
勝ち抜くにはアイディアだけでなく、根気や体力や運も必要になってきています。

アホなクライアントは、『なんならコンペに参加させてやろうか、参加させてやってもいいよ。』などと居丈高な姿勢を増し、これ幸いと『弊社もぜひ参加させてください。』とへいこらする会社も後を絶たないのでますますこの状況は加速して状況は悪化の一途を辿る。

先日のプレゼン。
会議室にずらっと座ったクライアントの上から下までの8人。

珍しく、寝てたりとか興味無さげな人はいなくて、皆熱心に聞いている。
メモしたりとか、きちんとこちらの目も見つつしっかりと理解しているような雰囲気。
こちらの企画のいろいろな部分に興味を示しているのがよくわかる。
いい感触じゃないか。
もしかしたら行けそうなのかも。

説明が終わって、クライアントの質問タイム。

『この企画を実施したら、うちの商品はどれくらい売れますか?』
『売れなかった場合、どうされますか?』
『この全体見積もりですけど、御社のいろいろなコネなどで、どれくらい安くできますか?』
『うちは人がいなくて困ってますが、御社は現場でどれくらい実際に動いたりしてもらえるんですか?』
『ビジュアルの最後にあるこのノボリのデザインなんですけど、文字は赤の方がよくないですか?』
『このパンフのサイズはもうちょっと小さい方がいいと思うけどどうですか?』

いやもう、久しぶりにあきれました。
ひどい要求ばかり。くだらない質問ばかり。
エライさんから現場担当者まで、揃いも揃ってなんですか、これ。

企画の骨子とか、考え方とか、キービジュアルとか、そういうことは興味ないんですか?

何のリスクも取らず、自分たちは何もしないで結果を出してくれるところを探して丸投げしようとする姿勢。
時代とともに、こういう体質の会社が増えているのだろうか?

いや、でも、こんなにひどいの初めてです。

そんなことはおくびにも出さず、質問は適当にうまくかわしつついい雰囲気の中で終了。

最後に、
『では結果は○日の夕方までにはご連絡します。
連絡が来なかったらダメだと思ってください。』

はっ?
通ったところにしか連絡しないの?
あと4社のダメだったところには、何もなし?

うわっ。
そんなの聞いたことないよ。
あまりにもひどいんじゃない?
時間もお金も含め必死になってわざわざ提案してくれたというのに、お礼の一言も言わないっつーの?

これがおかしいと誰一人思ってない幸せなクライアントの人たち。
かなりの重症だな。

今まで何十回、いえ、三桁の回数、企画コンペに参加してきたけど、なんだかとっても新鮮。
ビジネスのモラルというか、一般常識が確実に変わって来つつある。

そして、結果発表の日。
夜遅くなって連絡が来た。
なんと、恐れていたことが起こってしまった。
決まってしまったのだ。

僕はプレゼンまでの作業を協力する約束だったから、後のことは伝え聞いた話。
企画全体がどうこうという総括も何もなく、いきなり一番最初に必要なツールのビジュアルを10案以上も提案させられて、修正作業その他で四六時中バタバタしてるとのこと。
さもありなん。
結局、クライアントの担当部長でさえ、何も決められないことがすべて。
誰も責任持てないとなると何も進まない。
上層部のOKを取るとか、関係者の了解を取るなどの作業で、あっち行ったりこっち来たりすぐに後戻りしたり。
いちいち手間も時間もかかる。
クライアントもある意味一生懸命やってるんだろうけど、どこまで行っても前に進まない。
非生産的なことこの上ない。

ということで絵に描いたような見事な迷走状態が続いているということです。
アーメン。
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2 コメント

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無自覚の拡大 (この人)
2012-06-24 16:21:52
 棋聖戦第2局の勝利により、溜飲を少し下げた気がする「この人」です。
 とにかく、棋聖、王位を防衛し、王座の挑戦権獲得・王座奪回、NHK杯5連覇、A級順位戦優勝・名人位奪回を「ささやかな目標」としています。出来れば、棋王か王将もついでに奪取したいものです。

 それはともかく、凄い会社ですね。サラリーマンNEO+スリーアミーゴス(踊る大捜査線)のような……
 こういう会社と一緒に仕事をしても、いいことはありません。実際に振り回される方々が気の毒ですね。nanaponさんの会社が消耗するだけですから、最善手は断る手だったと思いますが、プレゼンしておいて断れないとは思います。
 こういうクライアントを儲けさせては、世の中のためになりません。
 無自覚の拡大というか、おばちゃん集団の増長を思い出しました。
 おばちゃんひとりの時はそれほどではないのですが、おばちゃんが集団になると無敵です。まあ、その時の一過性的なものならいいのですが、それに留まらないのが怖いところです。
 つまり、おばちゃんの図々し度レベルはその集団の中でバラつきがあるのですが、軽度のレベルCの人でも、周りがA級やB級で、その高度の図々しさがまかり通ると、「ああ、これくらいが普通なんだ」と思い、C級→B級とレベルアップしてしまいます。
 ちょっと、記事とずれたコメントになってしまいましたが、『怒らないことの罪(無自覚の拡大)』というような記事を書こうと思っていたところで、nanaponさんの記事だったので、つい、書いてしまいました。
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コメント、ありがとうございました。 (nanapon)
2012-06-26 11:30:25
この人さま、こんにちは。
すっかりご無沙汰してます。
この人さんの相変わらずの健筆ぶりには頭が下がりますし毎日楽しみにしています。

あの人の話。棋聖戦はとりあえずホッとしてますが、まだ王位戦もあり、この人さんが言うように、是が非でも王座挑戦を果たしてほしいです。

>それはともかく、凄い会社ですね。サラリーマンNEO+スリーアミーゴス(踊る大捜査線)のような……
 
この会社に限らず、誰しもがリスク取れないので、何も主張せず、減点だけはしないようひょろひょろしてるだけ、という会社が多くなってるように思います。
これでは中国韓国台湾のパワーには到底勝てるわけはないです。

>無自覚の拡大というか、おばちゃん集団の増長を思い出しました。
 
そうですね。
阪急電車の関取じゃない、席取りおばちゃんたちの構図、これがまたこの国のひとつの大きな問題になってると思いますし、このお題で記事を書こうと思ってます。
ではそのうちお目にかかってこんな話も含めて盛り上がれることを楽しみにしています。
返信する

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