波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

続 あなたの母さんではありません。

2011年03月14日 | 日記・エッセイ・コラム

(3月9日分から続く) 「人にかわいがられない男」について手厳しPhoto_2 い 話が続く。母親の育て責任も書くから一方的でない。ここまで書かれると清々しい。育て間違いが男の子を「チビ粗大ゴミ」にする下り,膝を打つ。変に尽くす女が、「粗大ゴミ男」育成の元凶という気もする。


 「幸福とは、私の考えでは、とてもいいものを心に持っている人が自分を愛してくれ、自分も相手のよさを愛していることを、その人も喜んでくれている、そういう状態をさすと思う。その『よさ』を『よさ』と認めるのは、人によって違うかもしれない。しかし男のうちなる、ある種の『よさ』を、もしかしたら扼殺してしまっているかもしれない。現代の男の子教育を、私は女たちのために悲しみ惜しむ」(同前書籍)としめくくる。


    著者は優しい。その分、読み流せない。若い頃の「幸福」は社会と結びつけていた。天下国家の幸せが俺の幸せで、その志が男らしさだと思っていた。勘違いとは思わないが、「身近にいる人間-妻の心も読み取れない男がなんで社会で成功できようか」の一文に立ち止まるこの頃だ。

 

…………読書感想…………………………………………………………………………………

 「刺し子 To the sky」(工房のむら編集:亥辰舎 2011.1.17発行)全く何の説明もない40着紹介の作品集。この潔さに★★ 今日のイラストはその影響で描いたオリジナル。初春の雪まだ残る景色をイメージしたざっくりした帽子付きコート。 ※5段階評価 最高★★★~最低☆☆。

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【その2】ヒーローがヒーローとして

2011年03月10日 | 【保管】一寸凡師コラム

3  息子が夢中になっている「ヒーロー物」。先月から始まった新番組は、スーパー戦隊35周年ということで、過去のヒーロー達も登場するとかしないとか・・・。とにかく息子は無我夢中。小さなヒーローがいつもわが家の平和を守っている。(猿と鬼には滅法弱いが)


    凡師が子どもの頃も、ヒーロー物は健在だった。ヒーローごっこもメジャーで、よく友達とゴレンジャーごっこをやっていた。ジャンケンで勝った人から好きなヒーローを選んでいくのだが、いつも最後に残るのは女性役の桃レンジャー。 「桃レンジャーと怪人どっちを選ぶ?」は子どもに取って究極の選択だった。悪役と天秤に掛けられてしまう桃レンジャーもかわいそうだが、凡師の子ども時代は、男は男、女は女、子どもは子ども、大人は大人でなければならなかった。


   あれから数十年。世の中は複雑になった。男性のような女性、女性のような男性、大人のような子ども、子どものような大人。見かけや年齢では判断できないことも。ニュースを見ていると、ギョッとすることがある。おおよそ大人ならしないような事をしてしまったり、おおよそ子どもはしないだろうということをサラッとやってしまったり…。中には良いこともあるのだろうが、ニュースや新聞で目につくのは、そうではない。悲しい事件が多すぎる。


   子どもの頃、先生が「人を見た目で判断してはいけないよ」と言っていた。「怖そうに見えても実はいい人」という良い意味だった。…ぶっきらぼうだけど、優しい心を持つ姿は、まさにあこがれのヒーローそのものだった。 残念ながら今では「危ないよ、気をつけなさい」という意味あいの方が強くなってしまった。


     ヒーローがヒーローとして活躍していたあの頃が懐かしい。

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凡師さんに某A新聞(全国紙)から全道版掲載のコメント依頼。200字だが一度きりでない、楽しみだ。本ブログから直木賞への一歩が始まる。今回も読者の皆さんへコメント募集。匿名、ペンネーム歓迎。下の赤字「コメント」をクリックしてどうぞ。後で請求書が来るとか、個人情報流布の心配は全くありません(BY波風立男)

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あなたの母さんではありません。

2011年03月09日 | 日記・エッセイ・コラム
Photo_2  「私はあなたのお母さんではありません」とママヨさんに言われる。時にあきらめの吐息、時に腹わた煮えくりかえり気味に。君、君、そこのあなた、なんぼなんでももう気がつけよという言葉に本で出会った。寝転んだ姿勢を正して読んだ。                           
 「…日本には、本当の意味の男と女はいない。いてもごく短期間の、一握りの人々だ。結婚で男と女は、夫と妻にすり替わる。往々、妻と母が同じイメージでだぶっている。うやむやのうちに妻は母親の位置へ横滑りさせられる。日本の男たちは、しばしば、女は二種類しかいないと思っている。母親と性的対象だ。男は女に自分の母親と同質の愛や配慮を妻に求める愚に気付いていない。伝統的に、一個の女に向き合うすべをしらない。子どもの頃からそう訓練されていない。女の意志や情感といった女の本質に触れてそれを喜ぶという、オトナ感覚が育っていない…」【田辺聖子著:男と粗大ゴミ】…立男の琴線に触れた箇所。                                          
   間違いなく俺のことだ。「お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に…」と家庭業務分担のつもりだったが、勝手だったかもと反省できる最近の立男だ(次回へ続く)
 
…………読書感想…………………………………………………………………………………………………………………
 
「Y氏の妄想録」(梁石日著:幻冬舎)定年退職した男の孤独な魂ということで読んだが惨めすぎ、薄っぺらすぎる…「血と骨」に比べるせいか☆  「続 突破者」(宮崎学著:同時代社)学生運動の湿った空気を原点にここまでの感。これも「突破者」に比べてしまし…☆ ※5段階評価 最高★★★~最低☆☆  画像は「刺し子のベスト」、雑誌から。こんなのを作れるようになりたい。クリックで拡大可。
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おいしい食べ方

2011年03月05日 | 日記・エッセイ・コラム
Photo_2  「もっと年とったら吉行和子みたいになって欲しい。なんか、かわいい。冨司純子もいいけどちょっと怖いし」と、お腹一杯の夕食後、TVを見ながら立男はつぶやいた。「私は…朝ご飯が終わったら『晩ご飯は何?』、晩ご飯が終わったら『朝ご飯は何?』って言うのやめてくれない?」と、佐野洋子のエッセーを笑いを堪えて読んでいたママヨさん。話がまったくかみあわないのは、ママヨさんが話を聞いていないのと、立男がもううたたね状態だからだ。                                         
 
 還暦後は自分のなりたいものになれたら楽しい。「生まれ変わったら~」の前倒しだ。そういえば、ママヨさんは前に樹になりたいって言っていた。なんてつまんないんだと立男は思った。美味しい実はつけても、美味しい物は口に入れられないじゃないか。そんなことを考えているうちに、昔も今も俺はママヨさんの樹の実をもらって喜んでいる猿か鳥だったような気もしてきて、老い先後の、そのまた先の自分をはっきりとイメージできる立男だった。全然楽しくないけど…まあ、側に…。 
 
   希少種のエゾライチョウの「おいしい食べ方」を環境保護行政の当事者がHPで紹介し問題にと新聞。「猟でとれてしまった場合の活用法」として「上品で 良い出汁がでる」「サムゲタン風もおいしい」とやったらしい。どこの業界にも面白い人はいるものだ。
 

 
画像は、ママヨさん印の袋菓子。赤い糸を引いて取り出して。ショウガ味クッキーが好きだ(妄想ではありません)最近、食べたことがありません(事実です)前号の「一寸凡師」に寄せられたコメントが楽しかった。この機能を使って、今話題の「ヤフー知恵袋」風の新コーナー画策中。「ヤブ~知恵袋」か「藪~知恵袋」なんていう…。その節は本ブログ読者の皆さんのご協力を。
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【その1】 ゴリゴリゴリ

2011年03月03日 | 【保管】一寸凡師コラム

    ゴリゴリゴリ…。懐かしく、とてもやさしい音が心地よく響く。 久Photo_5 しぶりに使った「手回しの鉛筆削り機」。どこか幸せな気持ちになるのはなぜだろう。


    凡師が初めて新品の鉛筆を買ってもらったのは、小学校低学年の頃。それまでは、兄のお下がりや家にあったものを使っていた。田舎の小さな本屋さんには、箱に入れられた鉛筆が山積みになっていた。ケースに入れられた真新しい鉛筆を見た時の感動は今でも覚えている。凡師にとって鉛筆は、特別な存在なのである。


     鉛筆と夫婦関係にある「鉛筆削り機」。(どっちがどっちなんだというのは、各家庭意見が分かれるだろうが、凡師は間違いなく「鉛筆!」。) 小学生の頃は、手回しの鉛筆削り機と電動の鉛筆削り機が、それこそしのぎを削っていた。時が経つにつれ電動が主流へ。わが家も手回しから電動へと変わった。「刺せばとがる」新時代の代物を見て、「昔はカッターナイフで削ってたのに」と母が言ったのを覚えている。


  「シュッシュッ」から「ゴリゴリゴリ」、そして「ギュルギュルギュ」と変わった音は、今や「カチカチカチ」になった。


      台所から聞こえる「コンコンコン」、カレーの匂い、夕焼けの色、カラスの鳴き声、そして「ゴリゴリゴリ」。


    「さっさと明日の準備をしなさい!」と怒られ、教科書の用意と鉛筆を削ってたあの頃が妙に懐かしい。

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一寸凡師さんの木曜コラム、その第1回目。下の「コメント」で感想をお寄せ下さい(波風)2011ギャラリーに「雪の坂道」UP。昨日の何気ない風景も筆で景色に。ご覧下さい。

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