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100年と30年前、エビスビールの話:めでたい神様のめでたいビール

当たり前のように存在し、なくても構わないようにも思えるけど。
生活の中へ、いつの間にか、とけ込んでいるものがある。


数日前、テレビをつけていたところ馴染みのある楽曲が流れてきた。
“おっ!エビスビールのCMかな?”と思ったら、そうではなく。
映画音楽の特集として音楽番組で、
映画「第三の男」のテーマ曲が流れていたのだった。
個人的には、エビスビールのCM楽曲としての印象が強く。
この楽曲が、映画「第三の男」に使われたものであったことは、
恥ずかしながら、そのときまで知らなかった。
(エビスビールに関連する過去の記事)
エビスビールが発売された明治20年代。
当時、国内のビール醸造所は、100~150とも言われていたが、
品質の維持を保てないものも多く。
数年で、姿を消していった。
当時のビールの値段は、1本、20銭。
現在の貨幣価値で、3000円ほど。
ちょっとした高級品だった。



駅という空間が生まれるとき、
大きく区画され、工事が行われたかと思われる。
移動する空間も含めて考えれば、
駅は固定されていない空間だとも言える。
そこに街や商業施設が発展していく。
それを日常のものとして生活していくうちに、
意識すらしないありふれた存在となっていく。




ちょっと気なることもあって、
資料を調べてみると面白いことが分かった。
エビスビールは…。
「YEBISU BEER BORN1887」としているけど。
1888年から1988年の100年間、
かつて「下渋谷」という地名で呼ばれていた場所で、
エビスビールの醸造所は操業していた。
このビールの出荷用として1901年に開設された駅の周辺は、
「恵比寿」と呼ばれ、それが浸透していく。
1906年からは、一般の旅客用として利用されるようになり。
現在の「恵比寿駅」へとつながっていく。
…ということだった。
地域を支えている産業が、地名になっていく。
“街に歴史あり”というところ。
130年前を思って、エビスビールで乾杯するかな。
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