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労働賛美:業

(前回の続き)
世の中には、怒っても仕方のないこともあるけど。
怒らなければならないことも多い。


昨年、ある日、本社のエラい人に連れられて、
親会社から30代ほどの男がやってきた。
背は高く、のっぺりとした顔。
どこか幼児性すら感じる言動と行動に、強い不安を感じた。
学生気分の抜けていない新入社員のような無責任な言動が多く。
仕事に対する緊張感や責任感が感じられない。
未成熟な子供のまま、大きくなったような印象を受けた。
「何故、仕事もせずに遊んでいることがいけない?ことなのですか?」
「他の人が働いているから、いいじゃないですか」

日常的で、当たり前のことは、それ以上、考えることもない。
だから、当たり前なのであって、言葉での説明が難しい。
しかし、これは考えるまでもないこと。
このような考え方は、善をもたらさない。
それに…。
これで怒らないほど寛容でもいられなかった。
念のために記せば、この男は知能障害や精神障害があるわけではない。
どのように注意しても、理解できないどころか。
不当な言いがかりをされていると言い出した。
この状況に、親会社から来ている他の出向者まで便乗してくる始末だった。
善悪の判断基準は、場所や状況によって変わるのかも知れない。
国語辞典に載っているのかは分からないけれども、
「職業倫理」という言葉がある。
もちろん“職業倫理”という言葉を用いるまでもなく。
「何故、仕事もせずに遊んでいることが悪いことなのですか?」
…などと言う人間は、善良と思えない。

このような人員がいることで…。
「アイツらがやっているのだから、俺もやっていて問題はない!」と、
感化されてしまうヤツもいる。
職場が毒されていくような状況だった。
この男は、数か月後、体調不良を理由にして出社しなくなった。
それで終わるハズだった。
(2020年7月一部訂正:続く⇒)
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