相変わらずゴミゴミとした都心の電車に揺られながら、勤務先へと向かう。
当然?スマホブロッカーとの攻防(バトル?)になる日々である。
(スマホブロッカー ⇒ NAによる造語:「関連する記事」)
多くの方は存じ上げていると思われるが、
都市部の電車には、“優先席”というものがある。
かつてはシルバーシートなどとも呼ばれていた。
簡単に言ってしまえば、
「身体的な配慮が必要な老人や病人、
妊婦などの方へ座席を譲ってください」
とマナーを促すスペースである。
あらためて言うまでもなく。
都市部での電車内は、飲食や飲酒、喫煙は、もちろん携帯電話の通話も、
ご遠慮くださいとなっている。
優先席では、さらにハッキリと「電源を落としてください」の表記まである。
しかしながら、そんな表記も気にもしていないヤツなど、ウジャウジャいる。
音楽でも聞いているのか?
動画を見ているのか?
SNSやゲームサイトにアクセスしているのか?
電車内には、携帯電話やスマートフォン、タブレット端末などを、
操作している人たちばかり。
それでも…。
「身体的な配慮が必要な老人や病人、妊婦などの方へ、座席を譲ってください」
と準備された優先席に座って、
携帯電話やスマートフォンを操作する神経や心理には、理解できないところがある。
この日は、3人掛けの優先席のまん中に中年女性、右端に若い女性。
目の前に杖を突いた老人がフラフラと立っているのに、画面に夢中だった。
「大人だったら、社会人としてのマナーぐらい守れ!」とは言わず、
様子をみることにした。
“ガタン、ゴトン!”
お婆ちゃんは、次の駅で降りていった。
ずいぶん大きな荷物を背負ったお婆ちゃんだった。
何故だろう?
あまり気分がいいものではない。
公衆道徳や社会正義のため?
社会人としての義務感?
どれも違う。
少し考えてみた。
“ハイテク電子機器への敬意が感じられない”からかも知れない。
携帯電話やスマートフォンを、便利な道具としか思っていない。
だから、他人が不快に感じるであろう行動や態度を、何とも思っていない。
座席の前に突き出すようにして、窓に張られた優先席の表示シールを突っついた。
女性たちが顔を上げる。
そのとき電車が揺れ、手を反射的に窓についていた。
“バンッ”と、ずいぶん大きな音がした。
「…」
若い女性の方は、しばらくしてスマートフォンを仕舞った。
しかし、中年の女性は…。
まったく気にもしていないようだった。
スマートフォンを仕舞った若い女性が、
「あの、ここ電話の使用がダメみたいだから」と説明していた。
知り合いという感じでもなかった。
髪の毛を染め、爪も彩られていたけど、案外、しっかりしている。
「大人だったら、社会人としてのマナーぐらい守れ!」とは言わなかったけど。
結局、大人げない真似をしてしまった。

蛇足:
サイボーグ技術が進歩した未来社会でも、
都市部ではビジネスフォンや通信インタフェースを、
埋め込まれたサイボーグビジネスマンが、たくさん通勤しているのだろうか?
彼らが、スマートフォンや携帯電話でなく。
身体に埋め込まれた通信システムで、
SNSやゲームサイトにアクセスしていくことを思うと、ゲンナリしてくる。
それにサイボークサラリマンやサイボーグOLたちが、
サイバーウィルスに感染して、ゾンビ映画さながらの状態になったら、
この電車は脱線するかも知れない。
…と、朝からバカな空想に浸っている日々である。
携帯電話などの電子機器が発する電磁波(高周波?)が身体機能へ与える影響を、
科学的に明確にしたものは無く。
携帯電話やスマートフォン以外にも。
今の世の中には、ウォークマンのようなミュージックプレイヤーがあり、
ポータブルゲーム機も発展している。
自宅以外でも、音楽やゲームを楽しめるようになった。
しかし、どこでも自宅のように振る舞えるようになったわけではない。
世の中には許容される範囲というものがある。
子供のように、他人も気にせずに身勝手なことをすれば、
不快に思われるのは、当たり前。
それに子供でも許されないワガママはあるのだ。