goo blog サービス終了のお知らせ 

はんぐおーば

二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094

黒の狩人:読んで印象に残った本や漫画

2010年06月08日 12時26分17秒 | 読心本画

大沢在昌の「黒の狩人」を読んでみました。
この作品は、前作「砂の狩人」の設定を引き継いだ物語。
前作「砂の狩人」、前々作「北の狩人」で、
主人公たちを支えてきた新宿署の刑事“佐江”に、また新たな事件が展開する。

「思い上がるな」
「手前らだけが天下国家を考えている、とでもいうのか。
泥棒や“しゃぶ”の売人をパクるのは、ケチな下っ端の仕事で、
天下国家には関係ねえ、そう思っているんだろう」
「外国を相手にして、世界の中の日本なんてことばかり考えていりゃ、
そう思いたくなる馬鹿がいてもわかるがな」
・・・以上、「黒の狩人」より、引用。
日本国内で、中国人を被害者とする連続殺人事件が発生する。
事件に政治的な要素を感じた日本の警察上層部は、
新宿署の刑事、佐江と中国人のスパイと思われる謎の男に、
事件解明の捜査に当たらせることとなる。
“佐江”は、マル暴担当の刑事という男臭い主人公。
今回、佐江の相棒となる人物、”毛”との捜査活動を、通じて、
2人の男の間に、友情とも信頼とも言える関係が生まれていく。
久しぶりに読んだハードボイルドの小説という感じです。
···でも、久しぶりに小説を読んでみるとなると、何故か、
以前にも、読んだことがある作家さんの新作となってしまう。

蛇足:
代表作「新宿鮫」を含めて、大沢在昌の小説は映像化されているものが多い。
今回、物語を読んでいて“佐江”を演じさせるのなら、
どんな俳優かな?と思い浮かべてみた。
前作、前々作では、脇役。
そして、物語中、不健康な印象(“でぶ”!)の中年男と描写しているのだから、
スマートな2枚目は除外だろう。
NAが思い浮かんだ俳優は、「高橋克己」。
人の良さそうなイメージもあるから、
粗暴な刑事という役柄はどうかな?と思う人もいるかも知れません、ね。
(今のところ、映像化される予定はなさそうですけど、ね?)
こう言うことって、作家さん、本人は、考えたりするのだろうか?








あの時、バスは止まっていた:読んで印象に残った本や漫画

2010年04月25日 07時29分25秒 | 読心本画

「社会に潜む闇は、ただ深い」
そう感じるときがある。
数週間前、あるテレビ局で、ドキュメンタリー番組があった。
番組内容は、高知県で起こった「白バイ事故の衝突死」に関してだった。
特別に意図して見ていた番組でもなく、ただ何気なくつけていたものだったので、
番組名と放送局は覚えていない。
そのドキュメンタリー番組が終わって、
番組内容と関連性のある書籍が紹介された。
それが、この本。

これは、事実なのか?
「法執行機関による隠蔽ではなく、捏造」
人を裁く“資格”をもった者たちが、自分たちに都合だけで、
何の罪もない人間を“裁き”の場につけたのか?
まだ読みかけなので、なんとも言えない。
それに、下手に先入観をもって読まないほうが、
いいのかも知れない。

もし事実なら、正義など、社会にはないのかも、知れない。








その時々の顔

2010年04月17日 13時14分44秒 | 読心本画

部屋の片付けを考えるなら、”捨てるもの”と”保管するもの”との選別は、
かなり重要なポイントかも知れません。
それでも、なかなか捨てられないものが、いくつかある。
少し前の雑誌も、そういう物の1つ。



古いTV雑誌を処分をすることにしました。
捨てるのをためらっていた理由は、表紙に選ばれたイラストや人物が興味深かったから。
そういう意味で、少し残念でもあります。









職人ワザ?:「シブすぎ技術に男泣き!」

2010年03月17日 14時15分30秒 | 読心本画

最近、小説を含めても、活字の本を読んでいない。
ほとんど、コミックばかりになっている。
大人として、これではイカン!・・・と思っているのに、何故か?
また買ってきたのは、コミック本。
・・・でも、悪くない内容なのです。
元エンジニアのコミック作家自身の経験を含めたシビアな話が描かれているのです。
それでも、製造の現場は素晴らしいと思ってしまうのは、NAだけでしょうか?

暁のイージス:最終巻(09年12月現在)

2009年12月05日 03時40分46秒 | 読心本画

コミックの購入を迷ったのは、かなり久しぶりの経験。
この「暁のイージス」は、前作「闇のイージス」から、
登場人物や継続している設定があり、かなり高い期待値があった。
最終巻では、ついにテロリスト“蝶”(バタフライ)との決着となる。
「何が、宿敵バタフライの過去にあったのか?」
そして、主人公イージスに匹敵する戦闘能力を
保有する登場人物ムハンマド・サイードや
アスラン・カディロフなど印象的な登場人物との決着も、
期待していた部分でもある。
・・・しかし、連載されていたコミック雑誌が廃刊になったことから、
不安要素があったのも事実。
どういうわけか?
七月氏の作品は、不幸な社会現象と重なるようで、
「JESUS」(原作:七月鏡一/作画:藤原芳秀)では、
化学兵器を使う強敵ナイトゴーンツが登場したころに、
地下鉄サリン事件が発生。
原案協力しアニメ化された「ARMS」では、
ニューヨークでの壊滅的な破壊シーンを描写したあと、
9・11テロが発生。
近年、コミック作品も、社会の情勢や時事の影響を
無視できないということだろう。
作者たちにも、その思いがあるのか?
テロやテロリストを、単なる悪役として設定せず、
実に緻密な描写をしている。
(「闇のイージス/暁のイージス」に関しての過去の記事)
掲載環境に制約があったのだから、仕方がないとは言え、
残念だったのは、この巻だけで物語を終息させるのは、
バランスが悪く。
詰め込みすぎに感じてしまう。
それでも、ストーリ上、公安時代から、
甲斐の直属の部下である女性(米内)が、
少し思い切った行動にでるなどの展開もある。
この登場人物は、可愛らしい女性なのに、
巻末のイメージ草稿のカットに掲載されたことがない。
色々な事情があって、もれてしまったのだろう。
※闇のイージス/暁のイージスの巻末には、
登場人物のイメージ草稿が何カットか掲載される。

蛇足:
20年前なら、
宿敵であるテロリスト”蝶(バタフライ)”のような存在は、
コミックだけの非現実的な登場人物に思われたハズだ。
「世界を奪われた人間は、完璧ならざる世界への復讐を夢見る」
バタフライの台詞は、危険な内容だとは理解できるのに、
何故か甘美に聞こえる。



イージスとバタフライとの対決が描かれた巻なら、
15、16巻も印象的。
予算的に、実写ドラマや映画は無理でも、
今も、映像化して欲しいと思っている作品の1つです。




さらに蛇足:(2021年9月)
物語中、人々を争いへと導いていく存在が、
何人か登場するのだけど。
それは、何故だろうか?・・・と思っていたけど。
雑誌連載中に起きた、9・11テロの影響もあるのだろうか。
この文を加筆している、今(2021年9月)は、
9・11テロの首謀者、ウサマヴィンラデディンが
(2011年5月に)殺害されてから10年目になり。
2001年9月11日から、20年後。
そして、今年、2021年8月16日には、
アフガニスタンの政権が、反政府組織とされるタリバンに奪取されてしまった。
今後の状況は、まだ何も言えないもの。
この物語にも影響を与えたであろう現実の問題が、
まるで片付くこともないことには納得できない気持ちにもさせられる。