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はんぐおーば

二日酔いを意味する英語の「はんぐおーば(a hangover)」
まあ“酔っ払い”の言うこと。by.NA-094

小人たちの黄昏(辰):さらば寒空小人

2021年03月17日 07時25分05秒 | 寒空小人
(前回からの続き⇒)
「隣の火事より、バカは怖い」という言葉を聞いたことがある。

無為な日々だけが過ぎ、月末となり。
翌月からのスケジュールが伝えられたとき、
所長も現場長もいない時間帯のものになっていた。
ほとんど希望日を無視し、事業所の主業務から外されたものだった。
この事業所での業務を把握させないようにしたものであり。
ウルサいヤツは遠ざけたい、という姑息な意思が感じられた。
バランスも悪く、業務上の負担も大きかった。
当然、現場長へ抗議したものの。
翌月も、同じようなものとなり。
それが繰り返されることとなった。
事業所のスケジュールは、現場サイドで作成したものを、
本社で添削(チェック)することになっていたもの。
ほとんどザル状態となっており。
他人の都合など、お構いなしのスケジュールが組まれていた。
こうなると、現場長より、権限のある人員に相談するしかなく。
思いつくのは、本社の営業担当者となった。
当時、本社の担当係長は、不祥事の続く事業所が受け持ちとなり、
その対応に追われていた。
このような申告は、心苦しかったが、仕方がなかった。


(画像は、JR東日本、秋葉原駅)

結局、それでも改善されることはなかった。
出口の見つけられない怒りと無力感が、
収まりどころのつかない感情となっていた。
“何故、こんな頭の悪い人物に振り回されるのだろうか?”
“そんなに、自分はバカなのだろうか?”
しかし、この考え方は間違っている。
現場長にすれば、事業所の全権(イニシアティブ)を握ったのだから、
わざわざ面倒なヤツを相手にして、
せっかく手に入れた自分の楽園を失くすなど、バカげている。
実際、アイツに打ち負かされてしまったヤツまでいるのだから、
できるだけ遠ざけて、逃げ回っていればいい…と、
まるで生産性のないコトでも思っていたのだろう。
そして、本社担当は多忙だったことから、
この申告に対して “事態を静観する”という安易な手段をとっていた。

ゆがんだ体質は、こうした弱いところにつけ回され、
他人が抱える悩みなど、ほとんど意識が向けられることもなかった。
これらの全体像を知ることになるのは、事業所での不正が明るみとなり。
手詰まりとなってからだった。


(2022年3月画像追加)

何故? そう思っていた。
ずっと考えていた。
これらの“答え”が見つからなかったのは、バカでも努力不足だったのでもなく。
ただ不利なポジションにいただけのこと。
それが分からなかっただけの話。
(2022年3月加筆訂正:続く⇒)

小人たちの黄昏(卯):さらば寒空小人

2021年03月16日 07時25分04秒 | 寒空小人
(前回からの続き⇒)
新規の事業所が立ち上がってから、1~2週間となっていたとき。
具体的な業務の手順を伝えられることもなく。
当社に与えられたデスクや周辺の壁には、
ベタベタと資料が貼り出されていった。
本社や顧客サイドからの資料やスケジュール表、連絡先であり。
かなり重要なものだった。
現場長からは…、
「おい、目を通しておけ」と伝えられただけだった。
雑然と壁に貼り付けただけの書面は、あまりにも見栄えが悪く。
しかも、それで業務の把握ができるハズもなく。
現場長を呼び止めて、口頭での確認を求めると、
「引継ぎ用にノートに記したから、それを見ろ!」と、
突き放したような言葉だけだった。
この命令口調は、誇張ではなく。
彼は、手間のかかる仕事を丸投げするように押しつけながら、
具体的なことを問えば「常識で考えれば分かるだろう」などと、
職場の人間が、やる気を失くすことを、平気で口走るような人間であり。
明らかに仕事に対する目的意識が低く。
それを仕方ない…と思って、ノートに目を通せば、
重大な伝達事項や状況報告、経過報告を脈略なく、書き込んでいただけだった。
“何が重要か分からないから、全部、伝えるしかないけど、
口頭で伝えきるほど状況を把握しきれていない”というところ。

そもそも、この事業所は、立ち上がったばかりなのだ。
仕事の引継ぎを、書面だけで出来るハズなどなかった。


(画像は、JR東日本、秋葉原駅)

それでも、またガツン!!と言ってしまえば、
大変な状況にもなりかねなかった。




翌日…、
「書面には、目を通しましたが、
書面だけの引き継ぎでは、行き違いが生じるかと思われます」
「まず現状を把握させていただけませんか?」と、
少し抑えた言葉を用いてみることにしたもの。
「お前は、言い訳ばかりだな…」と言い捨てる始末だった。
一瞬、頭の中が、真っ白になった。
イヤがらせと言うより、挑発でもしているつもりなのか?
この時、よく自制できたものだと思える。
こんな、やり方で、伝達漏れが発生しないハズもなく。
その後も、ほとんど話し合いにもならなかったもの、
事業所の方針や業務での確認する必要があり。
毎度、ひっ捕まえては、気分の悪くなる事態となっていた。

最初から、こちらの話を聞く気などない人間との会話は、意味もなく。
その後、現場長との話し合いは、ほとんど無意味なものとなった。
そして、事業所に配属されていた人員は、
ほとんどPCも扱えないことから、
いつの間にか月末の処理も任されることになった。
「ウルさいことは言われたくないが、大事な仕事をこなせる実力もない」
「それなら押しつけてしまえばいい!」
そんな状況を、ただ黙って受け入れられるハズもなく。
なんらかの行動が、必要となりつつあった。



蛇足:
人の言動や行動には、教養や品性など、色々なものが表れる。
履歴書に書かれた経歴だけで採用されても、
社会人が、それまでしてきた仕事は、言動や態度に出てくる。
“ぞんざいな口調”で、“敬語も使えない”…。
それは、誰に気遣うこともなく、
自分勝手で無神経な言動や行動を繰り返してきたということ。
敬語が使えないのは、あくまで当人の問題でしかなく。
他人からの注意を受け入れることもなかったのだろう。
だから、マトモな言葉遣いができない。
すべての資料やスケジュールを、壁に貼り付けるのは、
要領が悪いからではなく。
仕事の優先度や重要度を判断する実務能力がないからだった。
(2022年3月加筆訂正:続く⇒)



(2022年3月画像追加)

小人たちの黄昏(寅):さらば寒空小人

2021年03月15日 07時25分03秒 | 寒空小人
(前回からの続き⇒)
この事業所に配属される前にも、
問題ばかりの同僚や上司と関わっては、しくじってきた。
関連する過去の記事「かたり、たかり:逸~誤」
関連する過去の記事「労働賛美:喚~迷」
だから…、
“融通が利かない人だけど、悪い人じゃないよ”
…とでも思われているのが、丁度良く。
穏便に済ませるべきなのは分かっていたもの。
系列とは言え、別会社の社員もいる中では、
身内の不始末を正していく姿勢を見せる必要があった。
「この1台に限らず、ここのPCは、弊社だけではなく、
系列の会社に提供していくデーターも扱っているのは、ご存知ですよね」
「失礼ながら、この端末はセキュリティ対策され、
安全性のあるものなのでしょうか?」
彼は黙ったままだった。
もしかしたら、何を言われているのかも、
理解できなかったのかも知れない。
「わざわざ、この事業所への応援で見られているとは言え、
あなたは役職のある人員であり、模範となることが望まれているのですよ」
※実際には、ここまで説明じみた言い方ではないけど、ね。
一旦、口を閉じることにした。
ここで、“手打ち”にしておきたかった。
しかし、彼は、興味のなさそうで表情で、目を合わせようとしなかった。
ふてくされているのか?
それとも、バカにしているのか?
覚悟を決めることにした。
「もう1度、聞きます。何か言うべきことはありませんか?」
この言葉で、やっと緊張したような表情となって、
こちらを見た。
「今後、注意するよ。悪かった…」
彼が、そう言ったところで、スマートフォンから手を離した。
しばらく、彼は、そのままスマートフォンに触れようとしなかった。
その後も、彼は、この事業所への応援に来ることもあったが、
1年後、所属していた事業所から、別の事業所へと移動する。
そのまま、半年以上、体調不良を理由にして、欠勤を続けてから退職した。
この件でのことが、よほど面白くなかったのか?
いつも、重要な連絡書や報告書があっても伝えようとせず、
ときには、重度のトラブルやクレームになりかけたこともあった。
こんな人物に役職を与えた人事部の判断が理解できなかった。



翌日、本社の係長が来ることとなった。
おそらく、“泣き”が入ったというところだろう。

「おいおい、相手は、仮にも上司なのだから、気を使ってくれよな」
「いえ、納得できかねます。」
「このコンピューターでは、弊社以外のデーターも扱っています。
今後、トラブルが発生したとき、本社はどうするつもりなのですか?」
「いや、そうだけど、ね。でも、ね…」と、話が嚙み合わなかった。
つまり、少しは気を使ってくれ…と言いたいのだと気付くまで、
時間が必要となった。
「仰りたいことは、なんとなく分かりました」とでも言って、
“手打ち”としたように記憶している。
しかし、同じ職場の同僚として働いていながら、
何故、このような状況となるのか?
正直に言えば、このような役回りなど、遠慮したかった。
自分が有能でないことも、人望もないことは分かっている。
それでも誰かが言わなければいけないようことが、
何故、役回りとなってしまうのか?
それは、自分より有能な人間がいない…。
つまり、バカしかいないからだ。
…と考えれば、良かったのだろうけど。
当時は、そこまで割り切ることはできなかった。
それから、半年後、本社から、セキュリティ対策ソフトが配布され、
専用USBメモリー以外でのデーターのやり取りは禁じられることとなった。


(画像は、JR東日本、秋葉原駅)

この一件で…、
ただ融通が利かないヤツという印象では済まないものとなり。
翌月以降、事業所の業務から干されていくこととなっていく(続く⇒)



(2022年3月画像追加)

小人たちの黄昏(丑):さらば寒空小人

2021年03月14日 07時25分02秒 | 寒空小人
(前回からの続き⇒)
ヤクザ者の世界ではないけれど…。
企業社会においても、回状(かいじょう)が出ているような人間がいる。
※“回状”という言葉の意味を、どう捉えるかは難しいけど。

簡単に言えば、表向き、不祥事などの記録こそなくても、
素行不良の問題社員であることが、人づてに伝っており。
社内中に知れ渡っているようなことだ。
このような事情を知るのは不得手であったものの、
それでも、数人は思いつく。
おそらく、そのような人物として、
自分(NA)も伝わっているのだろうとは思っていたもの。
どのようなウワサが流れているのかまでは把握していなかった。
それだけに警戒が必要だとは感じていた。


(画像は、JR東日本、秋葉原駅)

新規事業所の業務が始まってから、数日後のこと。
ある日、見慣れないUSBケーブルが、会社のPCに差し込まれていた。
このPCは、社外秘とされている協力会社との報告書などを作成し、
管理するため用意された重要な機材。
その場で引き抜くと、USBケーブルの先には、スマートフォンがあった。
手に取って「誰のものか?」を確認することにした。
「あーっ、俺のだけど…」と言うと、1人、立ち上がった。
新規の事業所への応援で呼ばれていた40代の主任クラスの人物だった。
この口調と態度には、見逃せないものがあり。
そのまま、彼が、スマートフォンを取ろうしたところで、声をかけた。
「何か、言うべきことがありませんか?」
この言葉に黙ったままだった。
見上げるようにして、不健康そうな顔を向けてきた。
そこで、はっきりと気が付いた。
この事業所での業務を、軽く見ている(ナメている)。
(NAが)そのままスマートフォンから、手を離さないことに焦れたのか?
「ちょっとバッテリーが切れそうで、使わしてもらいました」とだけ言った。
「そうですか…」
私物の携帯電話(やスマートフォン)を、
職場に持ち込むのは、就業規則では許されてなく、
事業所の人員、すべてにロッカーが貸与されていた。
しかし、事業所の電話番号に、私用電話がかかってくるのは望ましくもなく。
自分を含めて、誰も、守らないような名目だけのものとなっていた。
スマートフォンは、比較的、新しい機種であって、
充電が必要となるほどバッテリーを消耗したのであれば、
連絡用に用いていただけとは考えにくかった。
もう1度、彼の顔を見てみる。
マメに、SNSを更新したり、
彼女にメールやLINEを送るタイプには思えない。
(そもそも彼女がいるようにも見えない)。
就業中、何らかのゲームアプリでも楽しんでいたのだろうか?(続く⇒)




(2022年3月画像追加)

小人たちの黄昏(子):さらば寒空小人

2021年03月13日 07時25分01秒 | 寒空小人

基本的に、社会はエラい人たちにとって、
動かしやすい(都合のよい…)構造となっている。
何故なら、社会的な責任をもつ人物に、
それに伴った権限もなければ、
世の物事は、まったく片付かなくなってしまう。

それだけに組織社会での肩書き(役職)を得ていくには、
実績と経験が求められていくことになる。
この“実績”や“経験”も疑わしい人物に肩書きを与えてしまえば、
色々と動揺することになり。
それなりに大きな組織(大会社や政治機関など…)であれば、
身内の話だけでは収まらなくなる。
もちろん問題となるようなことは、どんな組織でも変わらない。



数年前、新規の事業所が立ち上がったことから、
それまで配属されていた事業所から社内移動することになった。
新しい事業所の人員に選ばれたのは、
色々と(嬉しくもない)経緯があったからであり。
(関連する過去の記事「かたり、たかり:逸~誤」)
身に覚えのないウワサや評価が、同僚や上司に伝わっている気配もあり。
最初(ハナっ)から気まずい雰囲気があった。
…とは言え、こんなことは、一度や二度でもなく、今更とも言えること。
「余計なことで、身構えている余裕などない」と…。
そう思っていた。



この新規の事業所での業務は、親会社での名義(ブランド)となり。
事業所の代表として所長職が、1名、親会社から人員としてきていた。
所長は、40代半ばだったと聞いていたが、年令より若く見える人物だった。
どこか軽薄な印象を受けるところもあり…。
「結局のところ、自分の名前を、下請けの企業が書いた報告書に入れるだけで、
とくにやることもない」…という考えが垣間見えるところもあった。
他は、系列の関連会社との協力で行なわれ、
事業所の人員は、所長を除けば、シフト制となっていた。
当社(NAが属する会社)の人員は、少数になると伝えられると、
今後、“上司となる人物”を紹介されることになった。
年令は聞いていなかったが、おそらく50代だと思われた。
目立った特徴もない、年相応の印象しかない小柄な男性だった。
役職的には、主任クラスとなるが、彼以外の役職者はなく。
この事業所では、当社の責任者(現場長)となった。
挨拶を交わしたもの、どうにも反応が鈍かった。


(画像は、JR東日本、東京駅の丸の内側)

本社の人員も、新規事業所の立ち上げとあり、何名か来ていた。
その中には、過去の事案などで、顔見知りとなっていた本社の係長もいた。
“新しい上司”となる人物についてのリサーチも必要だったこともあり。
近況報告の必要性はなくても、挨拶と世間話をすることにした。
色々と聞いてみたもの、具体的なことは、何一つ、分からなかった。
実のところ…。
“新しい事業所の現場長”は、懇意にしていた所属の現場長の推薦によって、
昇進したに過ぎなかっただけであり。
職務経験こそ長いもの、服務態度が悪く。
他の事業所を追い出されるように、
何度も、社内移動してきたような人物だった。
本社は、彼の実績を把握していなかった…と言うより。
人員を評価できるだけの基準もなかったことを、あとで知ることになる。
(続く⇒)



(2022年3月画像追加)