The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1991 シャンボール・ミュジニ レ・ザムルーズ ダニエル・モアンヌーユドロ

2011-02-16 22:33:02 | ワイン
昨晩のヌッフ行脚の際に頂いたのですが、久しぶりの『レ・ザムルーズ』ではありました!



『モアンヌーユドロ』は当時・・・といっても、いつの頃までか、分かりませんが、
いずれ、『シャンボール・ミュジニ』村の村長さんだったとのことです。

ココのドメーヌは、チョクチョク古酒をみかけることがありますが、
今回ご相伴にあずかったのも、1991年もの・・・
『レ・ザムルーズ』の他、霊妙なる『ミュジニ』、
そして荘厳なる『ボンヌ・マール』があり、『フスロット』なども抱えているとのこと・・・
そうそう『クロ・ド・ヴージョ』などもありましたよね!
まずは、昔ながらの『シャンボール・ミュジニ』の造り手と言えるでしょう!

宝物のグラン・クリュ『ミュジニ』を1988年には『ドメーヌ・ルロワ』に、
1996年には『ドルーアン・ラローズ』に分けてしまったのは周知の事実ですが、
それもこれも、跡継ぎがいないという事からなんですね・・・

さて、1991年ものの『レ・ザムルーズ』は既にこんな色合いです↓

で、グラスに注がれますと、セミドライなプラムの果実香があり、
アジアのスパイス市場やら、ジビエの血の臭いやら、ジャコウジカのお尻やらがありまして、
物凄い事になっておりました!
味わいは骨太で、クラシックな堅牢さを見せ、しかもソコに野趣をも加わって、
北部ニュイはどうしても避けられず、熟成感からして20年の経過は当然でしょう・・・

いつもこのスタイルの『シャンボール・ミュジニ』を飲みますと、
ナルホド・・・と思うのですが、
エレガンス系の『シャンボール・ミュジニ』は言わば端っこで、
ジッサイ『事実は小説より希なり』でして、
土の香りのする、迫力あるテロワを持った『シャンボール・ミュジニ』をよく目にします。

このワインは、熟成の高原部をひた走り、僅かに下り坂に差し掛かったところ・・・
今が最高に妖しくて、隠微で、エロティシズムを湛えた姿を見せてくれました。

もし貴方も飲む機会があれば、グラスに注いで悠長に眺めていないで、
しかもあまりステアーせずに、ググっと飲み込むべきでしょう!

枯葉が舞い落ちる前に、飲んで・・・と言う事です!
オー・ヘンリーの小説のごとくです。