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手稲在住30年、手稲って本当にいいなって常々思っています。時に触れ、折に付け思いついた事を、取り留めなく書いてみます。

詩吟の教え方などについて  その3  二句三息について

2010-06-18 18:44:32 | 詩吟関係

 私が最初に詩吟を教えていただいたときは、先生の完全な口伝でした。そして、詩吟の構造的なことについて全く教えられなかったのです。ですから、音程すら分かりませんでした。そんな状態で6段まで進んだときに、札幌に転勤となり、二年目に詩吟を続けたくて手稲区にある日本詩吟学院の教室に入会しました。その当時、詩吟学院は新入の人の前歴は全く認めていませんでした。したがって私も5級から勉強のしなおしとなりました。私の吟はただ大きな声を出すだけで、全く素人の域でしたから、抵抗無く学びなおすことが出来ました。結局5段までお世話になりました。

 この詩吟学院での5段までの稽古が私を育ててくれたと思っています。

 特に、親先生でなく補助のような指導をされ、最後は親先生をしのいで、関連の教室全部を掌握することになった故日裏先生の指導を受けたことが大きかったのです。

 詩吟の構造をしっかり教えてくださり、コンダクターをいち早く取り入れられていて私も聞き覚えで使えるようになりました。コンダクターを使えるようになったのは、詩吟の構造を教えられ、理解できていたからだと思う。

 詩吟の音階が12音階で、レソ抜きの陰旋律で、主音がミ、副主音がラで、ミから始まりミで終わる。二句三息を大切にして、さらにアクセント、鼻濁音の重視など、それまで知らなかったことを教えられ、詩吟についての理解が深められました。

 日本詩吟学院の5段になったとき、先に世話になっていた象堂流に戻らせていただき教室を持つことになりました。

 象堂流の指導は、先に書いた形ですが、私は詩吟学院で覚えたコンダクターを使って教えました。しかし、宗家の吟は私たちの真似の出来るレベルではなく、ただ力を入れることしか分かりませんでした。私なりの指導はそれなりにやりましたが、特別アクセントを気にしなくても、二句三息を考えなくても通用しましたので、そのまま来ていました。

 五年前、都合で象堂流を退会して、自分の会を立ち上げ、北詩連に加入しました。すると特にアクセントがかなり厳しく指導されていることを知り、それまでの吟法をかなりの程度で修正することとなりました。

 日本詩吟学院にいた頃、この二句三息は日本詩吟学院独自の吟法だというように聞いていました。しかし、詩吟に関する本を見ますと、今は吟界の常識になっていることが分かりました。しかし、日本詩吟学院の方達の中には、他の流派は二句三息をやらないと決め付けている方がいます。逆に私から見て、学院のある会などの方の吟を聞くと違和感を覚えるところがある。無理に二句三息にするために、間の無い吟になっているのを聞いて是は間違いだと思ったりすることがあります。

 二句三息をきちんとできるようにするためには、ブレスをしっかり出来るようにならなければなりません。腹式呼吸法がしっかり出来るようにならなければ、難しいのです。それを初心の人にまで無理やりやらせても駄目なのです。そこに到達させる道筋を指導の眼目として教えなければなりません。

 詩吟は歌謡曲などと違って、力強さ、格調の高さが要求されます。その基礎となるのが二句三息だと思います。腹から出される、張りのある声で、二句三息で吟じきるそこに詩吟の真髄があると思うのです。
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