今日も会長さん欠席。体調が悪いみたいです。5名での稽古。「垓下の歌 項羽」「烏江亭に題す 杜牧」「太田道灌蓑を借るの図に題す」の三題をやりました。
垓下の歌は歴史的背景の深い歌で、短い時間でまとめて話すのは容易ではありません。ただ秦の始皇帝が没して間もなく、項羽と劉邦の二人による秦の攻略。その後、二人の攻防が続き垓下で「四面楚歌」を聞いてこれまでと覚悟した項羽の辞世の歌となるのがこの詩だということくらいのまとめにして、虞美人について話してあげました。司馬遼太郎の「項羽と劉邦」では辞世の歌に合わせて剣をとって舞い、歌い終わったところで項羽に斬られることになっている。又14歳で拾われ項羽の手で育てられ、愛妾となった美人であること、虞美人草というのは、この虞美人の葬られたところに咲きだした花だといい伝えられることを話してあげました。「虞や虞や なんじを奈何せん」と結ばれる最後、虞美人はこの歌の終わったとき、最愛の夫項羽の手で斬られるのです。こんなことを理解すると、吟もおのずと力が入ります。
そのあと「烏江亭に題す」をやりました。四面楚歌の垓下の包囲網を破って烏江亭まで落ち延び、こで舟に乗れば故郷に無事帰ることができたのに、ここで最後の戦いをして果てる項羽の心情を理解したいものです。
ここまでで前半を終わり、休憩後「大田道灌蓑を借るの図に題す」をやって終わりました。