きょう正式に処分が決まった。理事降格。
先に横綱審議員会の審議があり、その結論が理事会で文句なく承認された。
横綱審議委員会の委員長の処分理由の説明で「相撲は礼に始まり、礼に終わる」その相撲道に反したという。貴乃花の言い分の中に「先に理事長から話があり、事を荒立てないで始末したい」旨の言葉があり、この暴力問題をことなかれ的に内内の問題として処理したいというような話があって、報告をしなかったような発言があったみたいな話が出ていた。しかし、八角理事長はそんなことを言っていないと激しく反論したらしい。
事実はわからないけれど、理事会はできるだけ穏便にことを収めたいと考えていたことに間違いはない。
礼に始まり礼の終わる相撲道の精神からすると、この暴力問題は論外の事件であり、もしもそれをうやむやにしたいと理事会が考えるとすれば、既に相撲道の精神は地に落ちている。
白鵬が優勝の直後、この問題も穏やかに丸く収まったといってみんなに万歳をさせた。あれは何だったのですか。あのような越権行為、暴力を容認するような横綱の言葉の重みをあんな処分でおわらせる。そんな協会の現状に貴乃花は許すことができず、職を賭して抗議したのだと思う。理事会の処分に反論をしなかった。反論することの虚しさを知っているのだ。
ただ、まようやく相撲が軌道に乗っているところで、問題がもつれると、せっかくの相撲ブームも終わる危険をはらんでいる。貴乃花の投げた一石がどんな波紋を広げるのか、ひょっとすると波紋一つ立たないのかもしれない。