久しぶりに問題意識をもって本を読んだ。秦政著「障がい者雇用促進のための119番」(DSジャパン)と伊藤元重編「リーディングス 格差を考える」(日本経済新聞出版社)の二冊だ。
『さてあなたは健常者でしょうか?目が悪くてコンタクト・眼鏡を外したら、転んでギブスをしたら、日常生活に支障はないでしょうか?また、耳が遠くなったり目が悪くなるという加齢による障がいは、毎日少しづつ増してゆくものです。障がい者と健常者の境目は、くっきりしたものではありません。誰もがある部分は障がいを持っています。また、環境が整えば、障害による不便さはありません。*ダイバーシティ*は極めて大切な感性であるといえるでしょう。』(「障がい者雇用促進のための119番」から引用、一部割愛)
*ダイバーシティ*
・Diversity and Inclusion
・雇用の機会均等、多様な働き方を指すことは。
・もともとは、アメリカにおいてマイノリティーや女性の積極的な採用、差別ない処遇を実現するために広がったもの。その概念が広がりを見せ“多様な働き方”を受容する考え方として使われるようになった。
・日本においては、人種、宗教等よりは、性別、価値観、ライフスタイル、障害等の面に注目した多様性として捉えられている傾向がある。
・現在、人権等の本質的な観点だけでなく、将来的な少子高齢化による労働力人口の減少等に対応した人材確保の観点から“ダイバーシティ”に取り組む企業が増加している。
『財政難と財政の地方分担のもとで、義務教育の人件費が高騰すれば、給与や退職金など、教員に対する処遇の悪化もやむを得ない選択になるだろう。お金が出せなくなる時代に、人手不足を解消し、「自ら学び、自ら考える力」、「生きる力」の教育という、高度な教育課題を担ってをいけるだけの優れた教員を大量に採用しなければならないのである。それが容易ならざる難問であることは明らかだ。』「格差を考える」から引用