旅路(ON A JOURNEY)

風に吹かれて此処彼処。
好奇心の赴く儘、
気の向く儘。
男はやとよ、
何処へ行く。

木田元さん

2014年08月19日 20時25分41秒 | Weblog

単位を取得した学科ですら曖昧で、学校で何を学んだかという記憶すら薄い。恩師はいなと思っていたし、学校を出てしばらくは木田元さんの名前を忘れていた。講義を聴いたかどうかさえ定かでない。積読するハイデガーや愛読するメルロ・ポンティに関わる木田さんの著作や翻訳は多い。現象学や実存主義を守備範囲にしていたのだから、彼の思索と私の興味は自ずと重なっていった。最近「闇屋になりそこねた哲学者」を読んで、その人間性にも引かれ始めた矢先に死亡記事を目にした。神田駿河台で同じ時代の空気を吸った親近感と似通った思考の方向性につられて、しばらくは木田元さんとお付き合いをすることになりそうだ。